「何でもあります」では地方に客は絶対来ない

超細分化する旅行ニーズに追いつけるか

地方創生の落とし穴とは?
日本各地で地方創生に成功する村や町がある。長野県にある日本一暗い村、阿智村もそのひとつだ。これといった観光資源のなかった村が2012年に「星空ナイトツアー」を企画、それからたった3年で年間6万人もの人を集める人気スポットに様変わりした。
その背景には、阿智村の担当者と村興しを企画したJTBの社員の姿があった。JTBは十数年前より、現場の社員有志が地域振興に取り組みはじめ、現在は交流文化事業という全社的な取り組みの中で地域交流プロジェクトとして推進されるようになっている。
同事業の推進者の一人である山下真輝さんも草の根時代から取り組んできたひとり。いったい日本の観光に何が起きているのか? 『そうだ、星を売ろう』で日本一暗い村・長野県阿智村の“奇跡の村おこし”を描いた永井孝尚氏が、地方創生の現状と課題について山下さんと語り合った。

「旅行会社はこれでいいのか?」

永井:山下さんと初めてお目にかかったのは1年前でしたね。その時は既にJTBグループ本社の観光戦略チームのマネージャーとしてご活躍でした。今、JTBにとって事業ドメインを交流文化事業と位置付けたことは、会社全体に影響を与える重要な考え方として、定着していると感じます。

現に、直近のJTB経営戦略の発表でも、最初にこの事業のことが挙げられていました。そもそも、山下さんがJTB入社後、地域活性化に関わるようになった経緯はどんなものだったのですか?

山下:私はもともと、入社後の配属先がJTB九州の大分支店だったんです。当時、大分県は平松守彦さんという有名な知事の下で「一村一品運動」をやっていて、その一環としての海外との交流や地域活性化のサポートをやらせていただきました。平松知事や、別府や由布院でまちづくりに取り組む皆さんと一緒に海外を回っていて、観光地づくりをどうやっていくか、関心があったんですね。

永井:すると何十年も前から、地域づくりに関わってこられていたんですね。

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