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英米でも中央銀行の役割を巡る論争 新政権から政策変更迫られる日銀(日銀ウォッチャー)

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  • 加藤 出 東短リサーチ社長
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日本ではデフレがインフレに変われば多くの人がハッピーになるかのような印象が漠然と広まっている。しかし、多くの英国民は、10年以降のインフレ率の高まりに強い不満を持っている。名目賃金はインフレに沿って上昇してこなかったため、生活が苦しくなった人が多いのである。国民の生活にとって大事なのは、実質賃金の上昇を伴う、バランスがとれた「適度な低インフレ」の実現である。

なお、仮にイングランド銀行が政府に名目GDPの目標を課せられたら、目標達成の手段がないことが同行の最大の悩みになるだろう。同行が09年から行ってきた量的緩和策の景気浮揚効果は限定的だったと今ではロンドンの多くの市場参加者が見なしている(それゆえ、同行と財務省は今年6月に中小企業を支援するための新しい貸出制度を立ち上げている)。

また、市場では、イングランド銀行がインフレ抑制よりも成長を明確に重視する政策を開始したら、債券価格が不安定化するのではないか?という心配もささやかれている。

ただし、英政府は先日も財政緊縮策を進める基本方針を表明しており、日本のように中央銀行による国債購入を前提に国債を増発させる議論は出ていない。

時間軸政策に失業率の基準を用いるFRBとそのリスク

FRBが12月12日に決定した、新たな金利ガイダンス(ゼロ金利解除のタイミングを示唆する時間軸政策)も日銀をめぐる議論に影響を与えそうだ。

FRBは金利ガイダンスを、従来の「少なくとも15年半ばまで異例の低金利が継続される」から、「少なくとも失業率が6.5%を上回っている間は」に変更した。時間軸政策に失業率を用いることは、失業率をターゲットにする金融政策とは必ずしも一致しない。実際、バーナンキ議長は12日の記者会見で、「ターゲット」ではなく「道標」だ、と説明している。

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