長期金利は過去最低の0.430%を割るか?

市場動向を読む(債券・金利)

債券市場では先週、日銀による金融緩和強化への期待感が一段と高まり、国債の利回りが全般的に低下した。

中期金利の指標である新発5年利付国債の利回りは一時0.150%を付け、2003年6月に記録した過去最低の0.145%に肉薄。長期金利の指標である新発10年利付国債利回りも心理的な節目と意識されていた0.700%をあっさり割り込み、一時0.685%と03年6月以来9年半ぶりの低水準となった。

もっとも、長期金利は、5年債と同じ03年6月に記録した世界史上の最低値(当時)である0.430%にはまだ0.25%ほど距離を残している。債券市場の関心は今、長期金利も5年債の低下に引っ張られて、遅かれ早かれ過去最低レベルまで下がっていくのかどうかにある。

「質への逃避」と「金融緩和政策の長期化観測」

長期金利が当時そこまで下がったのにはそれ相応の事情があった。4点に要約できる。

まず第1は、根強い金融システム不安を背景に延々続いた「質への逃避」である。02~03年の景気はITバブル崩壊による後退局面を脱し、すでに拡大局面へと移行していた。

ところが、銀行の資産査定の厳格化(金融再生プログラム)による不良債権処理の加速が市場の資本不足懸念や金融システム不安をあおり、株式相場は銀行株を中心に底割れ状態に陥ってしまった。

日経平均株価は02年5月の1万2000円をピークにほぼ一本調子の下落基調をたどり、03年4月には7607円のバブル崩壊後の最安値を記録した。その間、「質への逃避」ムードが国内市場を覆い、投資資金はリスク資産である株式から逃げ出し、安全資産と位置付けられた国債へと大挙シフトしたのだった。

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