脅かされる日銀の独立性 「安倍総理」で大丈夫か?

無制限の金融緩和を提唱

首相のいすに最も近い人物とされる安倍晋三・自由民主党総裁の発言が金融市場をにぎわしている。12月16日の衆議院議員選挙に向けて、同氏の提唱する金融緩和政策が円安を誘い、株価が上昇したからだ。

その内容は「建設国債を日本銀行に買い取らせる」「インフレターゲットをしっかり設定して、その達成まで日銀は無制限で金融緩和を行っていく」「ターゲットは2~3%」「(金融機関が日銀に持つ)準備預金の超過準備部分に付与される金利をゼロまたはマイナスとする」など、日銀の金融緩和へ圧力をかけるものだ。おまけに、来年4月の日銀正副総裁人事にまで言及した。

日銀総裁は反論

選挙公約が発表になる前の段階とはいえ、金融政策のあり方が最大の争点のように扱われることなど、かつてはなかった。安倍氏は11月中旬から、「デフレ克服」という目的実現のために、金融政策を一番の政策課題のように語っていた。

安倍氏の一連の発言にマーケットはいち早く反応した。為替は円安に進み(図)、それに連動するように日経平均株価も連日の値上がりとなった。市場関係者はこう解説する。「一部のヘッジファンドのように足の速い向きが即座にポジティブに、円売り、株買い、10年物日本国債買いに反応した」。

マーケットの動きに意を強くしたかのように、安倍氏は積極的な発言を繰り返している。だが、もしマーケットの反応を受けての発言であれば、それは「マーケットポピュリズム」であり、本末転倒だ。

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