遠藤功「なぜ今、中堅企業なのか?」

ニッポン中堅企業の秘めたる爆発力

たとえば、紙おむつなどが中国・東南アジアに加え、インドや中東でも好調なユニ・チャームは、5期連続で連結営業利益の過去最高を更新。小売業でも、良品計画は中国など海外での売り上げが成長を牽引する一方、国内の直営店も着実に売り上げを伸ばしている。同社は2003年2月期連結業績予想を上方修正し、対売上高営業利益率は10%を上回る見込みだ。ユニ・チャームの売上高は約4300億円。良品計画の売上高は約1900億円。いずれも売上高何兆円という会社ではないが、しっかりと存在感を示し、「体質」のよさを誇っている。

グローバル競争を勝ち抜くための「適正規模」

ではなぜ、中堅企業に元気な会社が多いのだろうか?そこにはいくつかの合理的な理由がある。

1つ目は、中堅企業は自らが「戦う土俵」が明確で、戦略の方向性を定めやすいことが上げられる。自社の「身の丈」をわきまえ、あれもこれもと手を出すことはせず、「我が社はこれで勝つ!」という骨太の指針を打ち出し、思い切った「傾斜資源配分」を実行している。

それに対し、規模の大きな会社は「戦う土俵」が広がり、いつの間にか散漫経営に陥りがちである。また、特性の異なる様々な事業を営むため、組織としてのアイデンティティも生まれてきにくい。

2つ目は、中堅企業は経営トップと現場の「距離」が近く、全員参加の「一体経営」が行いやすいということだ。売上高数千億円というと、日本では大企業のように扱われるが、世界レベルでみれば、それこそ5兆円、10兆円という規模の会社がゴロゴロある中で、「ニッチャー」という存在である。大企業病にかからないよう常に注意し、小回りの利く機動力や柔軟性を確保しようとする努力を怠らない。意思決定のスピード、実行のスピードも独自の優位性につなげている。

また、日本企業の競争力の柱である「現場力」を活かすという意味でも、経営と現場の「距離間の近さ」はとても重要だ。方向性や方針の明示という上意下達と現場からのボトムアップである下意上達の両立を実現させやすい。

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