ルネサスが電産出身者を新社長に充てた意味 新社長と電産・永守氏の「複雑な関係」とは?

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志賀氏は自動車業界出身で、国内の自動車・自動車部品メーカーも株主かつ主要顧客であることから、ルネサスは自動車業界に配慮せざるをえない。それを象徴する出来事が、2015年暮れの12月25日に発表された、遠藤隆雄会長兼CEO(最高経営責任者、当時)の電撃辞任だ。

元日本オラクルCEOで、2015年6月にルネサスのトップに招かれた遠藤氏は、ドイツの半導体大手・インフィニオンテクノロジーズとの資本提携を進めようとしていた。この動きに対して、国内の自動車業界は、外資系企業への技術流出などを懸念して、難色を示した。

日本電産へ「お断り」の意思表示か

結局、遠藤氏はわずか半年でルネサストップの座を降りることになり、生え抜きの鶴丸哲哉氏が暫定社長に就いた。その後任に呉氏を充てたのは、買収を持ちかける日本電産への“拒否回答”といえるかもしれない。

産業革新機構の元幹部は「ルネサスを買収したいという声は、2013年に産業革新機構が出資した当初から国内外で多くあった。日本電産もその一社」と明かす。

日本電産は車載用モーターだけでなく、自動車制御分野への進出に意欲的だ。2014年3月には電子制御ユニットを手掛けるホンダエレシスを買収。これでルネサスも買収すれば、自動車制御の頭脳ともいえる、半導体を内製化することができるようになる。

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