20代女性が「産まないこと」を決断したワケ 産まないという決断は"悪いこと"ではない
「両親を恨んでいるわけではありません。でも家庭の作り方がわからない私にとって、結婚というのは離婚ありきで考えてしまうんです」
離婚することに対しては悲観的ではないので、嫌だなと思ったらすぐにでも離婚すればいいという考えがある。しかし結局は自分のエゴであり、そこに子供を巻き込むのは可哀想だと思うのだ。
それに母親のように愛情を注げるかもわからない。結局は自分が可愛いから、いつか子供を傷つけてしまうことになる。ならば最初から結婚も、産むことも必要ない。
「そう考えてしまう私って変ですかね」
その人の子供は産みたいとは思わなかった
和香には一度だけ、結婚してもいいと思える相手がいたという。同じ会社の人で、先輩としても尊敬できる人。好きだと思ったときはその人との家庭も想像した。ただしそこには子供の姿はなく、二人だけの世界。そういった形はいくらでもあるし、結婚したいと思えただけでもすごい進歩だ、と思った。しかしその人から出たのは「子供は欲しいんだよね」という言葉。
その瞬間に自分ではこの人を幸せにできないと考え、身を引いた。そのあと彼は結婚し、今ではお父さん。結婚したと聞いたときは流石にショックだったが、彼の幸せそうな生活を聞いていると心から祝福できる。
それ以降、6年経ったいまでも当時の彼ほど結婚したいとは思えず、シングルを謳歌しているそうだ。結婚したくない和香にとって、彼氏という存在もあまり必要ではない。そのため、恋愛に関してはフリースタイルでいることが多く、相手も自分と同じように結婚する気がない人ばかりだという。
お互い50歳を過ぎてもシングルだったらルームシェアでもしようか、と冗談で言える関係が和香にとっては心地が良い。なかには結婚しないということを真っ向から否定され、子供が産めない人に対しても失礼だと言われたこともある。それは和香も十分理解していた。できるものなら変わってあげたい。