貯金を本当に増やすなら食費節約は二の次だ 小銭にこだわらず、住居費や保険を見直そう
なお、生命保険の中には終身保険、養老保険など貯蓄性を備えた保険がある。こういった保険をかけていれば、ぜひ一度その「解約返戻金」を確認したい。解約返戻金は、保険を解約した時に契約者に戻ってくるお金のことで、それまで支払った保険料の中から積み立てられている。基本的には将来の保険金支払いに充てられるが、解約した時には手元に戻ってくる「貯蓄」でもある。
貯金がない人が「埋蔵金」を持っているケースも
貯蓄がないと思っている人も、実はこのような保険をかけていることがある。先日家計相談に訪れたBさん(38歳)も、現預金が300万円ほどしかなく心もとないと言っていたが、契約している終身保険の解約返戻金が現時点で約200万円あることがわかり、「埋蔵金だ!」と喜んでいた。
貯蓄の手段として保険を使うのは、ほかの金融商品に比べてコストが高く運用効率が悪い。貯蓄のためにわざわざ保険をかけるほどではないが、すでにこれまでかけてきた保険の一部には、いざという時に現金化できるものが隠れているかもしれない。もちろんこのような貯蓄性の高い保険も、必要以上にかけると保険料の負担が大きくなってしまう。保障としてどれくらい必要かを見直し、高すぎれば一部解約して保障額および保険料を下げておこう。
住居費や保険料は、口座引き落としやクレジットカード払いにしている人も多い。月に1回など支払いの頻度も低いため、出費している自覚をもちにくいが、その分、多少カットしても生活に直接的な支障が出にくい項目でもある。手続きの手間はかかるが、一度手を付ければあとは何もせずとも節約できる。また、食費や日用品などに比べ単価、あるいは支払期間が長いため、節約の効果は大きい。少々の手間はかかっても、ぜひ検討したい方法だ。
ただ、住居費や保険はすでに見直してしまった、見直す余地がないという人もいるだろう。その場合は、娯楽費などの削減を検討することが多い。先の家計調査でも、対前年比でマイナス22.7%、平均2万8314円という結果だった。食費、水道光熱費など、基本的な生活に欠かせない項目は削減できる範囲に限りがあるため、なくても暮らせる項目をカットするのが現実的だ。
これから夏に向けて、レジャーの計画を立てる人には、娯楽費のカットはつらいところだろう。とはいえ、1日3食、毎日食べる食事と、月に数回の娯楽と、どちらを我慢するかといわれれば、娯楽のほうが耐えられるのではないだろうか。
おカネの使い方、節約の仕方に正解はない。自分や家族にとって、日々を快適に暮らせる方法でなければ、どんな節約も長続きはしない。この時期に一度、わが家の貯蓄額や収支を確認して、貯蓄しやすい節約法を検討してみてはどうだろう。
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