教育の大転換「高大接続」を知っていますか? 一大構想とその課題を丸ごと解説

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日本は「高大接続改革」の実現に向けて、まだ動き始めたばかりだ(写真:msv / PIXTA)

「高大接続改革」という言葉をご存知だろうか? 一般的な知名度は低そうだが、実は、教育関係者なら知らない人はいない超重要フレーズだ。

「高大」とは、「高校と大学」という意味。このひねりのない名称に、実は日本の教育を大きく左右する一大構想が含まれている。先日、国が改革の推進チームを編成したと発表し、いよいよ本格化しようとしている。

今年3月31日に文科省から発表された最終報告は、70ページ超の大ボリューム。専門用語も多く、全文を読んでもなかなかわからないかもしれない。そこで簡単に要約した上で、この計画が抱えている根本的な課題を、米国との比較から考えたい。

3行でわかる「高大接続改革」

誤解を恐れず、構想の全文から要点のみを抜き出すとこうなる。

【要点】
① 従来型の教育では世界の変化に対応できない。そこで受動的な学びではなく、アクティブラーニング=能動的な学びの場に変える。思考力・判断力・表現力など、多様な力を育む。
② 高校、大学、社会でも求められる能力がバラバラの状況を変えるため、高校と大学の接合点、大学入試も変えていく。
③ 大学入試は、面接やポートフォリオなどによって総合的に評価するものに変える。

これらによって、社会に出てからも活躍できる人材を育成できるようにする。それが、この改革の趣旨だ。

ではなぜ、高校と大学を接続する必要があるのか。それは、簡単に言えば、これまでの日本の教育では、高校で学ぶこと、入試で求められること、大学に入ってから学ぶこと、そして、社会に出てから必要なことが、それぞれ異なっているからだ。

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