怒濤の復興チャリティーオークション 個人のつながりから動き出す復興支援

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結果的に、「東日本大震災チャリティーオークション」を通して、約4億8000万円もの落札金が集まった(12年11月末現在。現在も継続中)。

最も高い値がついたのは、ミュージシャンであるYOSHIKI氏愛用の「特製クリスタルピアノ」。なんと1100万1000円という高額で落札された。

挨拶は「バカヤロー」?

こうした活動の中で知り合った方で、特に印象深かったのは泉谷しげるさんだ。泉谷さんは、大友克洋さん、浦沢直樹さんら人気漫画家が自身の所蔵品をオークションにかける「マンガサミット・チャリティーオークション」を主催。ありとあらゆるツテをたどって著名人の知り合いを口説き、紹介してくれるなど、尽力してくださった。

桜井勝延南相馬市長と泉谷しげるさんの対談は「ご縁つながり」で実現した

僕は震災後、昨年の6月に初めて被災地(石巻と南相馬)に行ったのだが、それも泉谷さんがSNSで「助けてください」と助けを求めてきた南相馬のファンのところに、直接物資を届けに行きたいと協力を要請してきたことが発端であった。

泉谷さんには、当時、何だかよくわからない(?)こき使われ方をしていたように思う。

「お前、ヤフーだろ? インターネットに詳しいんだから、メッセージを送ってきた南相馬のファンのところに何とかして連れていってほしい」

「ん??あ、、はい!(よくわからないけど、、)わかりました!」

不思議なもので、泉谷さんに指示されると勝手に体も動き、話も進む。

泉谷さんは優秀なプロジェクトマネジャーだった。全体的に「無茶振り」が多いのだが、自分も積極的に動くし、直接ばんばん電話してくるし、絵文字入りの携帯メールでたまにねぎらってくれたりもする。

正直なところ、震災が起こるまで僕は「南相馬」という地名すら知らなかった。もちろん、なんの縁もゆかりもなく、知り合いは1人もいない。ところが、泉谷さんに出会った直後に、ヤフーの偉い人から「南相馬の市議会議員が困ってるから助けてあげて欲しい」と市議会議員を紹介された。こうしたご縁がつながり、「泉谷しげる・桜井勝延南相馬市長」という対談を行うことにつながった。

泉谷さんたちと石巻、南相馬に行ったときは、少しでも被災地の方々が癒えるようにと、避難所や仮設住宅で炊き出しをしたり、ライブを行ったりした。

このときもまた僕は、泉谷さんのスゴさに感銘を受けた。当時いろんな情報が飛び交う中、初めて被災地に入る僕には、どんな態度でどんな動きをすべきか、不安や戸惑いがあった。

次ページ傍から見ればヒヤヒヤだが…
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