新総裁はカナダ人 英中銀の大胆人事 初の公募の総裁人事が発表
前代未聞の転職──。現役のカナダ中央銀行総裁であるカーニー総裁がイングランド銀行(BOE)の次期総裁に指名された。11月26日、オズボーン英財務相が議会の場で表明した。300年以上の歴史があるBOEが外国人の総裁を迎えるのはこれが初めてであり、来年6月に任期満了を迎えるキング総裁の後任として指揮を執る。
英国では首相と財務相の推薦を受けて、女王が中央銀行総裁を任命する。ただ、今回の総裁選びは事情が違っていた。リーマンショックの金融危機を教訓に、BOEでは経済全体の健全性を監督する権限を与えられるなど大きな組織変革が進められている。権限拡大に当たり、次期総裁は透明性のある公募形式で選出すべきとの声が議会から出ていた。
これを受けて今年9月、財務省とBOEは連名で英『エコノミスト』誌に総裁募集の広告を出し、10月8日に募集を締め切っていた。応募要項の中には総裁に求められる役割を詳細に記す一方、年齢や国籍には特段の条件は設けていなかった。
候補者とされた中で有力視されていたのは二人の英国人。BOEのタッカー副総裁とFSA(金融サービス機構)長官で国際的な規制議論の場で中心的な役割を果たしているターナー氏だ。カーニー氏も候補の一人として名前が挙がっていたが、メディアのインタビューで応募に消極的な発言をしていただけに、ダークホースだった。
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