日本で働かせる前提で子供を育てていいのか インドやアフリカをよく知る金融家の目線

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加藤:語学を学び、もっと海外に触れよう、と。

メグラジュ:会社の未来、子どもの未来を考えたうえで、日本の置かれた状況を見てください。人口は減少し、成長には限界がある。高齢化がこれからも進む社会です。この人口動態・経済状況下で、日本だけに活躍の場を限定してしまう決定がどれほど高いリスクを持っているか、一度真正面から考えて欲しいと思います。私たちの子ども世代の未来は本当に日本にあるのかを考えれば、現状維持を行うという判断がいかにハイリスクな意思決定かわかるのではないでしょうか。

複数の視点を持つことが大切

国内にとどまる現状維持は活躍の場を大きく狭めてしまいます

加藤:企業でも子どもでも同じで、国内にとどまる現状維持は活躍の場を大きく狭めると。

メグラジュ:私の妻は日本人ですが、今は私とドバイに住んでいます。国外で暮らしたことのなかった妻は、日々驚きの連続で、日本への見方も随分変わったと話しています。複数の視点を持ったわけです。私が思うに、今日の子どもにもそういった体験が必要です。だからこそ、日本に住む子どもの海外への架け橋に親自身がなれば良いのです。無論、海外でも子どもの安全を守るのは親の義務であることはお忘れなく。

加藤:ご家族の住まいやものの見方が変わり、何がいちばん大きく変化しましたか。異国の地が、奥様に与えた最も大きな変化とは何だとお考えでしょうか。

メグラジュ:異なる背景と文化をもつ人々と触れ合った経験が妻の自信に繋がったようです。自分への認識が、ただの日本人から世界市民に変わったのですね。そのことで、より日本を客観的に見始めました。

加藤:奥様は、世界とかかわる窓を手に入れたということですね。

メグラジュ:だと思います。誰だろうとそういったチャレンジ精神をもつ人々は輝いています。世界を変える力です。自分の世界を作り、世界を変える。どこの国でもそういった人材が求められています。良い影響を世界に与えますから。

加藤: 私が行っているRISUの教育事業は、難しい課題に挑戦しては乗り越える達成感を、子どもが繰り返し経験してもらえるようにプログラムしています。

メグラジュ:教育は、人の未来に影響を大きく与える力を持っています。途上国では特に、「教育が未来を大きく変える」と本気で信じている親が多いです。祖父がインドやアフリカに多くの小学校を建てたのも、教育の可能性を確信していたからだと思います。教育の力で、子ども個人の人生にとどまらず、一家の社会的な立場を変えていければと私は強く思います。

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