アマゾン、知られざる法人向けビジネス クラウドで企業にも食い込む

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例えば、中古車販売のガリバーインターナショナルは、営業システムのバックエンドなどでランニングコストを従来比で年間約3割削減。日用品ネット販売のケンコーコムは、初期導入費と5年間の運用費合計で65%削減できたという。

シャープの場合、クラウドを利用し、テレビに「おしえてリモコン」を導入。放映中のテレビ番組を、ツイッターの盛り上がり度合いを見ながら選曲できたり、番組に登場した商品が簡単に購入できるサービスも提供した。

さらには事業会社だけではない。兵庫県西宮市や東京大学などの地方自治体や学校向けでも受注実績を挙げている。朝日新聞や講談社、電通など、実は日本のマスメディアにも、アマゾンは静かに根を張っている。

「過去6年間で20回もの値下げを実施した」。日本でAWSを展開するアマゾンデータサービスジャパンの長崎忠雄社長はそう胸を張る。IT専業によるクラウドサービスと違い、小売業ならではの価格破壊を仕掛け、市場を拡大させていったわけだ。

「東京リージョン(日本市場)はグループ史上、最速の初年度成長を遂げることができた」(長崎社長)。米アマゾン・ドット・コムの売上高(11年度)は481億ドル、うちアマゾンジャパンの売上高は推定5000億円超。クラウド事業のみの数値は公表していないが、日本市場躍進の牽引役の1つとなっているのは間違いない。今やネット通販に飽き足らなくなったアマゾンの、知られざる法人向けビジネスである。

(週刊東洋経済12月1日号「新・流通モンスター アマゾン」もあわせてお読み下さい)

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。資産運用や相続、年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。大野和幸(X)

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