アマゾン、知られざる法人向けビジネス

クラウドで企業にも食い込む

「アマゾン」と言えば、世界一のネット通販企業=アマゾン・ドット・コム。書籍から始まり、家電、ファッション、食品まで、あらゆる商品を個人相手に販売するビジネスだ。日本ではアマゾンジャパンが2000年、日本語サイトを開設したことから始まった。

が、アマゾンにはもう1つ、別な顔がある。企業や政府機関、地方公共団体など、法人向けビジネスだ。それも売っているのはモノではない。ITサービスである。

手がけているのは、アマゾンの子会社=アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)。実はAWSはクラウド事業で、あのマイクロソフトやアップルよりも早く始動した。クラウドとは、本来企業が持つサーバーなどの機能をIT企業が代わりになって、インターネットを通じ提供するサービスだ。 

国内では11年に始動。民間や自治体、マスコミ向けも

今日のIT利用における課題は、1)初期費用が膨大だったり、2)実際に利用しない資産にもコストが発生していたり、3)ビジネス拡大でなく稼働自体が目的になりがちだったり、といった点にある。

アマゾンはクラウドによるサーバー提供を06年にスタート。導入した法人顧客にとっては、初期投資が不要で、実際の使用分のみを支払えば済み、かつシステムのスケールアップやダウンなども容易になった。

現在、アマゾンのクラウドサービスを利用しているのは、190カ国以上・数十万社に上る。現状では東京、シンガポール、カリフォルニア(米国)、オレゴン(同)、バージニア(同)、ダブリン(アイルランド)、サンパウロ(ブラジル)の世界7リージョンに拠点があり、法人顧客はどのリージョンでも選択できる。

実際に「Gov Cloud」という米連邦政府専用のデータセンターやナスダック、IBM、韓国サムスン電子、独SAP、スウェーデンのエリクソンなども、全てアマゾンの顧客だ。

アマゾンは日本において、11年3月に東京、今年2月には大阪で、データセンターを開設。顧客には、日立製作所やパナソニック、花王、三井物産のような大企業から、サイバーコミュニケーションズやクックパッド、ケンコーコムなどの新興企業にまで及ぶ。

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