新谷:だからこそこの状態をキープしなければいけない。スクープは出たり出なかったり波はありますが、極力クオリティを落とさないこと。そして看板に傷を付けないこと。誤報はもってのほかですが、事実でもこの人のことをこう書くんだ、こういうスタンスで書くんだ、文春にはがっかりだね、ということのないようにものすごく気をつけています。
木本:文春さんが記事として出すということは、自信があるという認識でいいんですよね?
「怖い」よりも「可愛い」雑誌になりたい
新谷:もちろんです。錦織圭さんの新恋人の記事も、アメリカには2回記者を送って、さらにアメリカからバルセロナまで飛んでいます。延々追っかけています。彼の実家に取材にいったとき、お父さんもビックリしていたくらい。何人もの取材班で長期間やっていたので、取材費が割に合うかはわかりませんけれども、ただ、読んだ人はわかる。ここまできちんと調べているんだ、その場に記者がいたんだ、そこまで裏取っているんだ。これが信頼につながる。
神戸殺人事件の少年Aを追っかけた時も、およそ250日も追っかけていますし、甘利大臣の記事も1年かけて作りました。手間ひま・カネ・労力は惜しまない。そこをわかっていただきたいと思ってやってきましたし、実際ずいぶんご理解いただけるようになってきた。
木本:だからこそ、僕ら芸人からしても怖い媒体になってきているんですよね。
新谷:いやいや、もうちょっと可愛がっていただきたい。怖いというよりも、文春は可愛いよなと(笑)。
木本:それはなかなか。まだまだ脅威ですね。
新谷:悪いことをしている人には怖がってもらったほうがいいですが、芸人さんのスキャンダルはけしからん、というよりも芸の肥やしだと思うんですよ。書いといて言うのも恐縮ですが、安村さんの時も、案外笑い話にもっていけないんだなと。もっとわかりやすくネタにするのかなと思ったら、案外神妙になってしまって。
木本:そうなんですよ。外野が思っている以上に、本人がベッキーと肩を並べるようなスターの気持ちになってしまったんではないかと。だから、僕らも勉強になる。自分はいま後ろめたさがありませんが、なんかあった時にああいう記事になってから、勉強する。文春さんなり、週刊誌が来た時にスターっぽい逃げ方は何だろう。「僕なんか撮って面白いんですか?」というスタンスでいないといけないなと。ギャグとして面白いでしょと、いい意味で開き直ったスタンスを取ったほうがよいとか。文春でタレントも勉強しないといけませんね。
新谷:「パンツはいてませんでした、ごめんなさい奥さん」みたいな感じで、カメラに言うのはやっぱり勝新さんじゃないと無理なんでしょうね。
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