スズキの「燃費測定不正」はどれ程悪質なのか

国交省は5月末までの調査待ちで判断を保留

神妙な面持ちで会場を去る鈴木修会長(撮影:尾形文繁)
当記事は「週刊東洋経済」5月28日号(23日発売)からの転載記事です

スズキよ、おまえもか。三菱自動車の燃費不正問題を受け、国土交通省は5月18日を期限として、自動車メーカーに不正の調査を求めていた。そして迎えた18日、報告した41社で唯一、スズキが不正な燃費測定方法を採用していたことを申告した。

問題になったのは三菱自と同様、燃費計測の要素である走行抵抗値だ。スズキは、国が定める「惰行法」と呼ぶ測定法でなく、屋内試験でタイヤやブレーキの転がり抵抗、車体の空気抵抗を個別に測定し、それらデータを積み上げて走行抵抗値を出していた。

不正の対象は210万台にも及ぶ

不正の対象は判明した分だけで、2010年以降にスズキが販売した全16車種と他社へ供給している11車種、約210万台にも及ぶ。「定められたとおりの測定方法を用いていなかったことをお詫び申し上げます」と鈴木修会長は頭を下げて謝罪した。

一方、同社は正式な測定方法で、あらためてデータを取得。「申請値の妥当性を検証したところ、誤差の範囲であることを確認した」(鈴木俊宏社長)として、燃費性能を偽る不正行為はなかった、と結論づけている。

燃費性能を偽るためでないとすれば、なぜ不正な測定方法を採用したのか。スズキの言い分はこうだ。

自社の相良コース(テストコース)は海に近い丘の上にある。風が強いため、定められた測定法では、データのバラツキが大きい。正確な結果を得るには何度も繰り返して測定を行う必要があり、「申請に必要なデータを限られた開発期間でそろえるのが難しかった」(俊宏社長)。

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