スズキも不正、独自の燃費測定に走った事情 過ちを犯した2010年、同社に何が起きたか?

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天を仰ぐ鈴木修会長。燃費の数値ではなく、測定法に問題があった、と強弁したが・・・

三菱自動車だけではなかった。

自動車業界の”勝ち組”と目されていたスズキ。同社も、国が定めた燃費の測定法である「惰行法」のデータを用いず、独自の手法で計測していた燃費データを報告していたことが明らかになった。

スズキは5月18日午後、調査結果を国土交通省に報告。その後、鈴木修会長、鈴木俊宏社長、本田治副社長が出席し、記者会見を開いた。

対象は210万台を超える

同社は惰行法のデータを採用しなかったことについては謝罪したが、惰行法で再調査した結果、燃費そのものの数値については問題がなかったことを強調。対象は、国内で2010年以降に販売開始した軽自動車と乗用車の16車種(OEMを含めると27車種)で、台数にして210万台以上にも上る。が、引き続き自信を持って、販売を続ける方針を示した。

問題が報じられた後、スズキの株価は後場寄り付き直後から急落。前日比9.4%の2613円と、大幅下落で引けた。はたして、早期に幕引きを図れるか、それとも三菱自動車のように、問題は拡大していくのか。

会見の主な1問1答は次の通り。

鈴木俊宏社長:現在、当社が販売している16車種について調査したところ、国が定める惰行法ではなく、タイヤ、ブレーキ、トランスミッションなど、部品ごとに空気抵抗を試験して得た実測値を積み上げたデータを使用していた。

背景としては、当社が所有する相良テストコースは、海に近く丘の上にあることから、風の影響を大きく受けるなど天候に左右されるため、試験が困難だったことがあると考えている。当社が実施していた、室内装置を使用した計測法は、風の影響を受けないため、データのバラツキが少ない。ただ、惰行法のデータと比較検証しても、得られたデータは誤差の範囲内に収まり、燃費については問題がないことがわかった。

今後は、相良テストコースに防風壁を設置するなど対策を施し、また試験方法に不明がある場合は、事前に国交省に相談することとしたい。

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