超一流プレーヤーとの貴重な!?エピソード

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バブル全盛期の頃、とある雑誌の連載で世界の超一流プレーヤーたちと対談をさせていただいたことがあります(もちろん通訳付きで♪)。

まず最初に、南アフリカの黒ヒョウと呼ばれたゲーリー・プレーヤー。いつも上下黒の服を着て、プレースタイルも実に哲学的というか、その道を究めていくような感じで寡黙な雰囲気。ちょっと近寄りがたい人かなあと思って対談に臨んだのですが……、意外に気さくなオヤジでした。しかもイメージとのギャップもあるからか、けっこう軽い感じの人?という印象になりました(笑)。しかし、世界のゲーリー・プレーヤーですからね。いろいろなお話を聞いて、またとないチャンスなのでレッスンもお願いして、バンカーの出し方などをその場で教わったりもしました。そうこうするうちに、歳はけっこういってらしたのに、体が引き締まっていたので「鍛えてらっしゃるんですか?」と社交辞令で聞いてみたら、やっとその話に来たか!みたいに手をたたいて喜んで「そう、俺はすごい鍛えてるんだよ~。この筋肉を見ろ!」と言って腹を見せ、「君、いいから殴ってみろ」と言うので、ちょっと加減しながら殴ってみると「どうだ!俺の腹は!」と満足げな顔をされていました。確かに小柄なんですが、鍛えている体で。でもその腹を殴ってみろというのが、あまりにも普通の人の対応で面白かったです。本気で殴っていたらどうなってたかも気になります(笑)。

次に、当時破竹の勢いだった英国のニック・ファルド。クラブは日本のを使っていましたね。彼はものすごく気難しいイメージで、プレースタイルもタイガー・ウッズのような、見た目ショー的なアクションとかもしないし、あまり笑いもしない。だから絶対に一緒に酒を飲んでも面白くないなという印象(笑)。いざ対談というとき、「この記事が載るのはどういう雑誌なんだ?」と聞かれたので、当時、グラビアにヘアヌードが出ていた某週刊誌を、「わあー、どういう反応をするかなあ」と思いながら恐る恐る見せたら、「こういう話なら喜んでするぜ!」って、ヘアヌードを指さしながら言ってましたね。コイツも普通の男やな、と思いました(笑)。サービス精神からかもしれませんけどね。でも彼はいい人で、お土産にプリングルの青いカシミヤのセーターをもらいました(笑)。今でも愛用しています。

そして以前にもエピソードを書いたリー・トレビノは、本当に楽しい人で、どうやって人を笑わせるかという方向に話が終始一貫。股間を指さして“僕のドライバー自慢”になってしまいましたね。ホント、陽気なメキシコ人でした。

こんなすばらしい一流プレーヤーたちと堂々と談笑できるのも、普通のサラリーマンだったらとてもかなわない夢だったので、本当にラッキーでした。漫画家になってよかったなあと思えた体験の一つです。

弘兼 憲史 漫画家

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ひろかね けんし

山口県出身。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)勤務を経たのち、1974年に漫画家としてデビュー。現在、『島耕作』シリーズ(講談社)、『黄昏流星群』(小学館)を連載するほか、ラジオのパーソナリティとしても活躍中。

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