キムチ三国志、ナンバーワン商品は 専業の美山が攻勢
韓国発の伝統的な食品、キムチ。梅干しやたくあんといった和風の定番商品に混じり、日本の漬け物市場における存在感が高まっている。食品専門紙などの調べによると、2010年の国内漬け物市場においてキムチのシェアは2割程度。約3割でトップシェアの浅漬けに次ぐ2番手に位置する。チゲ鍋やキムチ炒飯などキムチを使用した料理も、すっかり家庭の食卓に根付いてきた。
そのキムチの商品別ブランドで、“覇権を争う”激しい三つどもえが始まった。
プレーヤーは看板商品の「こくうまキムチ」で勝負する東海漬物(愛知県豊橋市)、「ご飯がススム キムチ」を擁するピックルスコーポレーション(埼玉県所沢市)、そしてここへ来て「イチオシ キムチ」のブランドで有名なキムチ専門メーカーの美山(千葉県船橋市)が、新たな戦略商品の投入で攻勢に出た。
美山は11月26日、東京都内で記者会見を開き、「毎日キレイキムチ」と呼ぶ新商品(=右写真=)を12月1日に全国一斉に発売すると発表した。最大の特徴は、美山が独自に開発し、腸内環境を整える役割を持つ植物性乳酸菌を1億個も添加したこと。白菜、大根、たまねぎなどの新鮮な10種類もの野菜に、西洋梨の果汁やエビ塩辛のコクなどを加えて、調和の取れた旨みを実現した。
パッケージもこれまでありがちなキムチの赤色を用いず、清潔感をイメージした白色を全面に押し出すなど他社商品と徹底して差別化をはかっている。健康意識の高い女性の取り込みを狙って、イメージキャラクターに人気俳優の速水もこみちを起用するという気合いの入れようである。
美山の売り上げは過去5年間で1.7倍に
昭和45年創業の美山は、キムチを専業とする。約40種類もの豊富なラインナップをそろえており、他の漬物を除いたキムチ生産販売だけでみた場合、国内での販売数量は最大級である。業績はキムチ需要の伸びとともに拡大基調にあり、07年に約48億円だった売上高は11年には82億円と過去5年間で1.7倍もの成長を遂げている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら