フェイスブックは「中立」な報道機関ではない 「アルゴリズムに偏見はない」は幻想だ

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つまりフェイスブック上で表示されるものはすべて、そうしたスタッフの専門技能と慎重な判断の産物であるとともに、意識するとしないとに関わらず彼らのバイアスの産物だということだ。フェイスブックの編集に対する考え方は社外秘だから、そのどちらなのかを言い当てるのは難しいことが多い。担い手の顔も見えない。ニュースフィードに何を表示させるか判断しているエンジニアやデザイナーといったスタッフの多くは、永遠にユーザーの前に姿を現すことはない。

凝り固まった二極化を招くおそれも

社風や社員の考え方の傾向という問題もある。社員の多くは米沿岸部の裕福な家庭(つまり民主党支持者が多い層)の出身だ。その若きオーナー経営者ザッカーバーグが表明している政策志向には、眉をひそめる人も少なくない。彼は自由貿易と開放的な移民政策、議論のタネになるような教育改革を支持し、「壁を建設する」代わりに「世界とグローバルコミュニティを結ぶ」べきだと説く。

ほかのメディアも似たようなものだと言う人もいるかもしれない。強い影響力を持ち、どこか透明性に欠け、営利企業であり、オーナーは自らの支持する政策をためらいなく口にする富豪――そんな大手報道機関は少なくない。ブルームバーグ・ニュースやワシントン・ポスト、フォックス・ニュースもそうだし、ニューヨーク・タイムズも例外ではない。

それでも、フェイスブックのバイアスへの懸念が深刻なのにはいくつか理由がある。1つは企業の体制に関わるものだ。大手報道機関であれば多くの場合、ニュース事業において許容されるものとされないものについて厳しいルールや基準が定められている。

「メディアが民主国家と社会の中で果たすべきとされる役割や倫理の長い歴史が、ニューヨーク・タイムズの行きすぎを防いでいる」とキャプランは言う。「(フェイスブックのような)ネット企業はそうした『対話』をしてこなかった」

フェイスブックでトレンディング欄の責任者を務めるトム・ストッキーの声明によれば、フェイスブックには同欄で表示される記事について「一貫性と中立性を維持するように」しなければならないという方針があると言う。

だがフェイスブックは、何らかの編集ガイドラインでアルゴリズムを縛っているのかどうかについてはコメントしなかった。これらのアルゴリズムは社会に対して大きな影響を持つ可能性がある。

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