スカイプのストックホルムオフィスに潜入 創業10年目の誓い(第2回)
シルバー・レイクはナスダックへの株式上場を目指したが、市場環境が悪く断念。マイクロソフトに買収される前には、グーグルから買収の打診を受けたという経緯がある。
スカイプの技術を統括する役割を担うストックホルムの拠点には、全部で140人いる従業員のうち、6割以上がスウェーデン以外の人たちが占める。この比率はグローバルにサービス展開する我々にとって、適している。スカイプはフェイスブック(Facebook)と違い、ユーザーが欧米に偏っているということもないからだ。
どんなデバイスでも利用できる
われわれのフィロソフィー(哲学)は、どのようなデバイス(端末)でも利用できるという点にも現れている。スカイプはデスクトップがウィンドウズ、マック、リナックス。携帯電話はiPhone(アイフォーン)、アンドロイド、ウィンドウズフォン。タブレットはアイパッド、ゲーム機はPSヴィータ、テレビはサムスン、ソニー、パナソニックのスカイプ内蔵型テレビ、ブルーレイプレーヤーなど対応する範囲が幅広い。
例えばアップルのフェイスタイムはアップルのユーザーしか使えないが、スカイプはそのようなことはない。マイクロソフトの傘下に入ったとしても、このフィロソフィーが変わることはない。最も適しているパートナーと言ったのは、そういった意味もある。
マイクロソフトと個別連携を行う一方、マルチプラットフォームの姿勢は崩さないスカイプの独自戦略。日本では連載第1回でも触れたように競合が多数現れており、グローバルに見ても「Viber(バイバー)」や「Google Voice(グーグルボイス)」などのサービス利用者が増えている。
数ある無料通話サービスの中から、ユーザーがスカイプを使う魅力や強みはどこにあるのか。ウーム氏は「品質」を強調した。
スカイプのオーディオチームは、何年にも渡り、通話品質の改良に努めてき。我々の商品がどのようにネットワーク上で作動するのかについてのデータを大量に収集し、スカイプの様々な特許製品の改良に、それを最大限に活用していた実績がある。我々の豊かな経験、専門知識、膨大なユーザー基盤、そしてプロトコル(規約)のすべての側面をコントロールできる能力こそが競合との差別化につながったと確信している。
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