中居正広がベッキーの本音引き出した超話術 13日放送「金スマ」はまさに上司と部下の会話
ここで特筆すべきは、中居さんの余白を埋める対応。ベッキーさんが「連絡を取っていません」という結論しか話さなかったので、そこに至る過程を探るような質問をしたのです。さらに、中居さんはベッキーさんの返事を自分の言葉に置き換えて繰り返すことで、視聴者に分かりやすく伝えました。ベッキーさんとしても、中居さんの口から弁明してもらえたのは心強く、さらに信頼関係が深まったのではないでしょうか。
責めすぎないように言葉をさえぎる
ベッキー 「そこで罪の大きさを知って、『本当に間違った恋だったんだ』と知って、そこから連絡は取ってないですね」
中居 「『間違った恋なんだな』って、何で思ったんだろう?」
ベッキー 「もう夫婦関係は破たんしていると思っていましたが、『これは間違った恋だな』という認識も正直ありました。でも、『ちょっと順番違うけど、そのうちお別れするかもしれない』という思いもあって。でもインタビュー見たら、奥様は男性に対する思いもしっかりあったし、『長崎のご実家に行かれるのを楽しみにしていた』というのも書いてあって。そこに私が言ったわけですから、本当に最低なことをしてしまったなと」
中居 「あのときはどんな時期? お正月、変な話、奥様がいることはもう……」
ベッキー 「知ってました」
中居 「好きな人の実家……う~ん」
ベッキー 「本当に最低なことをしてしまいました」
中居 「それは今すごく感じるんだね」
ベッキー 「『相手の立場に立って考える』ということができていませんでしたね。自分の気持ちのことしか考えてなかったです」
このあたりの中居さんは、ベッキーさんの言葉をうながすように、自分の言葉を最小限に留めていました。疑問形の質問を使っていないことがその証拠であり、ボソッとつぶやくようなひと言で、ベッキーさんの絞り出すような本音をただ待っていたのです。
中居 「何で行ったのかな?(すぐに答えないのでもう一度)ベッキーは何でお正月に彼の実家に行ったのかな? それはどこかでごあいさつとかも意識していたのかな?」
ベッキー 「親戚のお子さんがいらっしゃって『会わせたい』ということでお誘いをいただいて行きました。私は自分の都合のいいように取ってしまったんですね。『実家ってことは真剣に考えてくれているのかな』という浅はかな、愚かな考えで行きました」
中居 「(言葉をさえぎるように)誘われたんだ?『来ない?』って。もしそんな機会があったら行きたいよね。子どもたちに私ができることがあれば……って。でも、よくよく考えてみると、いやいや実家だ、実家だ」
ベッキー 「絶対に行っちゃいけなかったですね。気持ちが大きくなっちゃって周りが見えてなかったです。本当に愚かでした」
ベッキーさんが「浅はかな、愚かな」と自分をおとしめる言葉を続けたため、中居さんはそれを遮るようにフォローを入れました。部下が失敗を反省するのはいいことなのですが、責めすぎないように止めてあげるのも上司の愛情。そもそも自分を強く責めすぎると、本質的な失敗の理由から離れてしまうため、ほどよいところで止めてあげたほうがいいのです。
満を持して一番の厳しい言葉
中居 「(ひとり言のようにしみじみと)いやあ……好きだったんだよね」
ベッキー 「断る勇気が持てなかったです。『断ってしまうと、男性の気持ちが離れちゃうんじゃないか』と思ってしまって、本当に情けないです、自分でも……」
中居 「周りから見れば、『それはてめえの都合だ』ってことなんだよね。(同情するような表情で)でも、好きになったらそうなのよ」
ここでの中居さんは、明らかにベッキーさんを試していました。中居さんは、「ベッキーがいまだに間違ったことを考えていないか?」、確認したかったのです。だから、「好きになったらそうなのよ」とカマをかけるような言葉をかけたのですが、ベッキーさんは次の言葉を返すことで、中居さんからのお題をクリアしました。
ベッキー 「(首を横に振りながら)でもブレーキはかけなきゃダメです。ブレーキをかけられるポイントがいくつもあったのに、私は毎回かけられず……」
中居 「いやあ、好きだからだよ。好きだからしょうがないって思うんだけども、『いやいや、てめえの都合だ』ってのもあるよ。ねっ? でも立場考えろよ、奥さんの立場」
ベッキー 「最低でした」
「ベッキーは自分の間違いをしっかり把握できている。今の彼女なら大丈夫」と感じた中居さんは、ここで「奥さんの立場を考えろよ」と、この日一番の厳しい言葉を投げかけました。迷惑をかけたことに対して、しっかり叱ってくれる存在は貴重そのもの。もし中居さんが終始、優しい口調で話していたら、ベッキーさんの謝意はそれほど伝わらず、本人としても気持ちは晴れなかったでしょう。
中居 「もう好きじゃないですか?」
ベッキー 「(まっすぐ中居の目を見て)好きじゃないです」
中居 「好きじゃないです、か?」
ベッキー 「もちろん報道が出たときは、好きな気持ちはありましたし、『落ち着いたら何か月か後に出会って、そこから恋がはじまるかな』という思いも正直ありました」
中居 「ありまし“た”?」
ベッキー 「ありましたけど、奥様の気持ちを知って、自分の罪の大きさを知って、『あっ、これはダメだと』」
中居 「こういう恋はいけない、イコール、今の好きな人を『すぐに嫌いです』というふうになるのかな?」
ベッキー 「一瞬ではならないです。まず頭で考えて、『好きじゃない、好きじゃない』(と言い聞かせて)、それに心が追いついていったかもしれない」
中居 「今、ベッキーは好き?」
ベッキー 「好きじゃないです」
中居 「あっ、そう……すげえ、好きだったんだね」
ベッキー 「う~ん……。(涙を流しながら)そうですね。それは好きでした。ごめんなさい」
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