「霞が関文化と訣別を」船橋洋一氏らが意見 原子力規制委が有識者招く

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「被害者の視点に基づいた欠陥分析を」柳田氏

作家・評論家の柳田邦男氏は、政府の事故調査会のメンバーとしての経験を踏まえ、「これまでできなかった事故の論理的な分析作業を規制委に引き継いでほしい」と述べた。そして、規制委に求めることとして以下の6点を挙げた。

第1に、原発の安全は経済効果とは明確に分けて追求すべきということ。第2に、リスクを先送りし、隠ぺいする安全文化を一新すること。第3に、被害者の視点に基づいて安全規制の欠陥分析を行うこと。第4に、組織事故論に沿った諸要因の洗い出し作業が重要であること。第5に、言葉使いやタイミングなど情報発信のあり方を考えること。第6に、安全に関する意思決定において想定外の事態を前提とし、リスク要因を公に明らかにすること、だ。

有識者5人の意見について、規制委の田中委員長は「いずれも非常に重たい意見」として、今後の安全規制に生かしていきたいと述べた。また、更田豊志委員は来年7月までに策定する新たな安全基準が「ベストなものと考えるのは完全な思い上がりであり、継続的な改善に努めていきたい」と発言。大島賢三委員は、「規制委は大きな権限と独立性を持っているが、独善的になることなく、活動が国会などにより監視されることが重要」と語った。

規制委では、今後もこうした有識者の意見を聞く機会を設けていく意向だ。
 

中村 稔 東洋経済 編集委員
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