「霞が関文化と訣別を」船橋洋一氏らが意見 原子力規制委が有識者招く
そして、福島の子どもたちに影響を与えている課題として、①子どもの放射能被曝に関する日本の国家基準は、子どもの生命・生存・発達の権利に基づいていない、②日本政府は子どもの権利を保護する措置を講じていない、③日本政府は原発事故に関する防災情報を提供するうえで、子どもの権利を十分に考慮していない、という3つを挙げた。
「霞が関文化といかに闘うか」船橋氏
次に発表した日本再建イニシアティブ理事長の船橋洋一氏は、震災後に自ら民間事故調査会をプロデュースし報告書を作成した立場から、福島事故の遠因、背景について語った。原発の「安全神話」は「事業者や規制官庁の既得権益を正当化するためのイデオロギーであるとともにシステムであり、根が深い」と述べ、原発のリスクが公に議論されないように「ムラ」の中に囲い込まれ、外部は「空気」を読むしかないという、ガバナンスの欠陥を指摘した。
そして、規制委は今後、独立的な立場から安全基準などを作っていくうえで、「そうした霞が関文化といかにして闘うかが問われている」とし、独立性を保つためには「専門性がいちばん重要だ」と述べた。また、「原子力のような巨大技術をマネージしていくには、中央銀行総裁と同様のテクノクラート的なリーダーシップが必要」と話した。
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