ヒット商品を真似して、必ず惨敗するワケ だから星空ツアーやルンバは独り勝ちする
2匹目のドジョウを狙う模倣者が先行するヒット商品を超えられないのは、「商品」という結果だけを見ているからだ。結果だけを真似しても、先行するライバルを決して超えられない。ヒット商品は、失敗から得た学びを蓄積しているからだ。阿智村の場合、たとえばスターガイドが数年間にわたって毎晩行ってきた反省会を通じて得た学びだ。ルンバの場合、十数年間かけて日本市場にいる最先端の消費者から得た学びだ。彼らの商品やサービスは、仮説検証を通じて得たこの膨大な学びの蓄積をもとに生み出され、磨き込まれている。だから学びの結果である最終製品の形や機能だけを真似しても、完全な模倣はできない。
本来ヒット商品から学ぶべきは
顧客は敏感だ。「星空を見てワクワクしたい」、あるいは「帰宅したとき、きれいな床で迎えて欲しい」というお客様が買う理由が先行するヒット商品と同じであれば、結果だけを真似るライバルは、顧客から見て単なる「劣化版コピー」に過ぎない。
さらに模倣者がヒット商品を分析し模倣している時点で、先行する相手はさらに顧客から学び続け、自分の強みを強化し、あたかも陸上競技場のトラックで周回遅れのライバルを追い抜かすかのように先に進んでいる。ヒット商品で先行し、さらに学び続けている先行者がいる限り、模倣するだけのライバルはなかなか追いつけない。
「日本一の星空ナイトツアー」や「ルンバ」といったヒット商品そのものを模倣しても売れない。商品やサービスは、「結果」に過ぎないからだ。本来ヒット商品から学ぶべきは、物事の考え方やフレームワークだ。「お客様が買う理由」を作り上げて検証する考え方は、あらゆるビジネスで重要なことだ。
ヒット商品の形だけを模倣しても、それは単なる「猿まね」に過ぎない。一過性の模倣ではなく、その考え方や哲学までも徹底的に学び、その上で自分ならでは応用を図っていくべきなのである。
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