相場格言「夏場は撤退しろ」は今年も有効か 夏場のイベントがプラスに働くかが焦点だ

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「5月に手仕舞いして9月第2土曜日まで戻ってくるな」はこの時期必ず聞かれる格言(写真:ロイター/アフロ)

国内企業の3月期決算の発表がほぼ終わり、株式市場では好業績銘柄への見直し買いが入る時期となります。ただ、今期の業績見通しを大きく左右するドル円相場は依然として円高方向に強い力が働いているようです。足元は揺り戻しで円安の方向に少し戻していますが、出遅れ感だけで買えるほどの円安水準ではなく、主力大型株へは買い戻し以外、手掛けづらい状況です。トヨタ自動車の今期の連結営業利益見通しは前期比40.4%減になる見通し。為替変動による影響が減益幅の大部分を占めるといった見方ですが、本業の自動車販売の方は大丈夫でしょうか。

米国の4月小売売上高では、自動車・関連部品が前月比で3.2%増となりましたが、3月に2015年2月以来の大きな落ち込みとなった反動では。今年に入ってからは、2カ月連続で増加したことがありません。新興国での需要の減少に加え、同社以外でも北米事業には不安要素が残っています。熊本地震に伴う工場稼働停止の影響などが懸念されるハイテク産業においても、回復が予想以上に遅れると収益の足かせになります。

海外投資家も注目する小型株優位が続く

一方、株式市場の焦点はマクロ経済や国内外のイベントに移ります。5月26・27日には主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開催されます。月内に発表される景気対策や為替市場への円売り介入などを警戒し、CTA(商品投資顧問)やヘッジファンドなどの一部の短期筋の間では、「株買い・円売り」ポジションを積み増す機運が高まっているようです。ただ、期待感が剥落するような内容になれば、「株買い・円売り」ポジションの解消や再び「株売り・円買い」ポジションを積み増す動きはあるでしょう。GW明けで市場参加者が増えている感じでもないため、海外市場の動向次第では薄商いのなか振れ幅が大きくなる展開も想定しておきたい。

そういった意味でも、大型株よりも小型株優位の状況が続きそう。特に、マザーズに比べて出遅れ感の強い東証2部やジャスダックに加え、東証1部に分類される小型株などに妙味があります。為替変動による業績への下方修正懸念が小さいことや、以前に比べると海外投資家による注目度が高まっており、ファンドなどを通じて資金流入への期待は根強い。

日経平均株価は2日の大幅安で形成したチャート上のマド埋めを達成しました(さほど相場は弱くないという解釈ができます)。3月にもみ合い相場となった1万7000円前後の水準は戻り売りが強くて当然ですが、ここからは直近で安値となった2日安値(1万5975円)を下回らずに、4月25日高値(1万7613円)を上抜けていけるかが、強気判断のポイントになります。

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