消費増税「再延期」をするべきではない理由 経済学的に見た、正しい消費増税の考え方
首相の発した言葉の重み
新聞報道などによると、来年4月に予定されている消費税率の8%から10%への引き上げを延期することが政府内で検討されているそうです。この消費税率引き上げは、そもそも昨年10月に予定されていた増税が来年4月に延期されたものなので、今回は、再延期の検討ということになります。
安倍首相は、2014年11月18日、最初の消費税増税延期について国民に信を問うとして衆議院の解散を正式に表明しました。首相は、その記者会見において次のように発言しています(太字は筆者)。
「再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします」という首相の言葉は、重要な政策課題に関わる発言として大変に重たいものだと思います。消費税増税再延期の議論には、首相の発した言葉の重みよりもさらに重大な何ものかがあるのでしょうか。
政権が公約を違えてまで消費税増税の実施を延期しようとすることに対して、一般の人々は必ずしも強く反対しているわけではないように見えます。多くの人々は、消費税増税に対して漠然とした不安を持つ一方、消費税増税に代わる政策に対して何となく期待を寄せているように思います。
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