高学歴で低年収、30代女性の明るすぎる貧困 彼女を救ったのは宗教とセックスだった

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「残業代不払いとか、休憩がないとか、残業を割増賃金にしてくれないとか、どれだけ頼んでも社会保険に加入してくれないとか。介護時代におかしなことは、挙げていけばキリがないです。どんなひどい扱いをされても、ほかに行き場所がないから辞めるわけにはいかなくて、3年間続けました。どれだけ人が入れ替わってもいじめみたいなことはなくならなくて、意味なく怒鳴られたり、いじめられた思い出ばかり。

長時間労働は12時間を超えたあたりから精神的にツラくなる。イライラするんです。でも“どうして普通に帰れないのですか?”とか不満を言ったら、クビになるって思って我慢しました。非正規のパートだから仕事を入れてもらえないと、家賃が払えないから死活問題です。介護施設には、そういう自分の状況をうまく利用されました」

セックスすると、みんな優しくなる

モノであふれかえった一人暮らしの部屋

労基法無視の長時間労働、パワハラ、いじめ、残業代不払い、社会保険未加入と、これ以上ないひどい労働環境。一人暮らしで、日々、生活費を稼がなければならないプレッシャーがあったことは理解できるが、どうしてそのような過酷なブラック労働を3年間も継続できたのか。

「それはセックスを覚えたからです!」

突然、笑顔になった。これ以上ない、満面の笑顔でそんなことを言いだした。劣悪な労働環境とセックスになにが関係あるのかわからないが、彼女は「セックス」という言葉が出てから人が変わったように明るくハイトーンになる。

「長時間労働で低賃金、家と介護施設の行き来だけ。介護職の人たちは弱い者いじめが好きなので、文句を言わない私はいつ怒鳴られるかわからない。ずっとビクビクしていました。さすがに我慢ばかりしている私もおかしくなります。長時間労働させられて私生活みたいなのがまったくない状況は、みんな同じだった。介護施設に勤めて1年くらい経ったとき、なんとなく帰りが一緒になった同僚の2つ年上の介護職の人とセックスしちゃった。近くの公園で。そしたらその人が突然、優しくなって、好き、好きみたいになって、セックスってすごいって思った」

その男性介護職は未婚、恋人なしでさまざまな職業を転々とするフリーターだった。周囲に流されて彼女に対して横暴な態度をとっていたひとりだったが、セックスした瞬間から態度が急変した。

「一緒に働いていてもいつもデレデレした感じで、キレイだとかかわいいとか言ってくれた。それでまた公園でしたいみたいな感じで、何度もするようになりました。最初はよかったけど、私、頭が悪い人とかあまり好きじゃなくて、3カ月くらいでほかの人がいいなってなっちゃった。ちょっと距離を置こうとしたら、ストーカーみたいになっちゃって。施設の前とか駅で待っていたり、逃げたら家まで来るようになっちゃった。最終的には警察ざたになりました」

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