無料通話スカイプ創業10年目の誓い(第1回) 現地取材で徹底リポート

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電話の概念を根底から変えたスカイプの無料通話サービスを支えているのは、音声を圧縮、データ化し、インターネット網の利用によって相手先に届ける「ピアツーピア(P2P)」という技術だ。

03年8月、スウェーデン人のニコラス・センストローム氏とデンマーク人のヤヌス・フリス氏がエストニアで開発し産声を上げたスカイプは、このP2Pの技術を活用することで、無料通話のネットワークを拡げていった。

電話の歴史をひも解けば、1876年にスコットランド人のアレクサンダー・グラハム・ベル氏による電話機発明にさかのぼる。携帯電話は1973年にモトローラが発明したのが第1号。これらはむろん有料だ。その意味でスカイプが発明した無料通話サービスは、それらに次ぐ技術革新といえるだろう。

P2Pはサーバー構築などの大規模なインフラ投資をする必要がなく、基本ソフトなども無償で手に入れることができるため、ラインやカカオトークといった競合の参入にもつながった。

スマホアプリでも競合に先立つ

スカイプはスマホアプリでも先頭を走る。09年にiPhone(アイフォーン)、10年10月にはアンドロイド(android)にも対応を始め、12年2月にはウィンドウズフォン向けのサービス提供にも乗り出した。カカオトーク(サービス開始は10年3月)、ライン(同11年6月)といった競合に比べても、スマホへの対応が早い。

12年7~9月期の通話時間は1200億分と前年同期比58%増加しており、パソコンからスマホへとユーザーの端末利用シーンが変化する中でも、着実に支持を増やしている。

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