41. バイオルはコントラバスにも似ているが、弦数が6~7本以上で和音の響きも4度を基本にした調弦であった
42. バイオルは一時人気を誇るものの、1550年頃に突然誕生したとされる「バイオリン」に人気を奪われていく
43. バイオリンは4本弦で和音の響きも5度で調弦するが、誕生した時点でほぼ完成した形だったといわれる
44. しかし最初の製作者は不明。原物もないため当時の絵画に描かれたバイオリンからの推測に過ぎない
45. 現在、最初期の製作者といわれているのは、アンドレア・アマティとガスパロ・ディ・ベルトロッティの二人
46. 彼らは共に北イタリア出身で、現存する最古のバイオリンは1565年にアンドレアが製作したものである
47. 17世紀に入るとニコロ・アマティやストラディバリ一族、グァルネリ一族など著名な製作者が続出
48. 特に卓越していたのがアントニオ・ストラディバリとバルトロメオ・ジュゼッペ・ヴァルネリ・デル・ジュス
2011年に落札されたストラディバリは12億7500万円
49. いまも彼らを越える名器はなく、2011年に落札されたストラディバリには12億7500万円の値がついた
50. その音色の秘密は楽器表面のニスにあるといわれていたが、赤外線検査の結果、松ヤニと油のみであった
51. バイオリン職人の間では楽器の胴に塗るニスは古来から秘伝とされるが、その素材の多くは医薬品と重なる
52. 赤色塗料のドラゴンブレッドは欧州で止血剤として、黄色のガンホーグは緩下剤、茶のアロエは強壮剤である
53. またバイオリンの弦には羊の腸の筋をよったガット弦、弓に張られているのは馬の尾である
54. 現在のバイオリンでは1本の弓に150本の馬の毛が使用され、モンゴル産の白馬の尾が最も人気が高い
55. 11世紀に中近東から欧州に伝わった「ダルシマー」は台形の共鳴箱に弦を張り、その弦を槌で打って演奏
56. その後14世紀に入ると鍵盤を押す「クラヴィコード」が生まれ、1500年には「チェンバロ」が誕生する
57. チェンバロは鍵盤を押すと細長い棒状のジャックに取り付けられた爪が弦を弾き音を出す構造
58. イタリア生まれのこの撥弦楽器は欧州中に広まり、英国ではハープシコード、フランスではクラヴサンと呼ぶ
59. しかしイタリアの製作者クリストフォリはチェンバロの音が強弱に乏しいことに不満を持っていた
60. 1709年クリストフォリは、従来の爪ではなくハンマー仕掛けで弦を打つメカニズムを発明する
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