北朝鮮は、核兵器開発だけは絶対に放棄しない

36年ぶりの党大会で何を決めるのか?

まず第1に、金正恩第1書記が後継者となって以来の新体制作りを承認することだ。その中には、張成沢を粛清したことも含まれる。張成沢は金正恩の義理の叔父であり、金正日時代から中国との関係を取り仕切っていた。金正恩が後継者となったときはまだ20歳代であり、老練な張成沢からすれば、国家の指導者となるにはあまりにも若年で経験のない人物と見えただろう。しかも、中国との関係は張成沢の権力基盤であり、そのことについて金正恩の指導を受けることなどありえないことだった。

しかし、それは金正恩にとって最高指導者としての権威を確立するうえで障害となるので排除せざるをえなかった。

軍内においても激しい人事をしてきた

金正恩は、また、軍内においても激しい人事を行った。金正日の葬列で霊柩車に付き添った5人の軍人は、死亡した者を除き、すべて追放された。処刑された者もいる。

軍のナンバー・ツー(ナンバー・ワンは金正恩)である総参謀長は、金正日時代に任命されていた李英浩を玄永哲とし、その後、金格植とした。さらに李永吉に代え、今年に入ると李永吉も代えた(処刑した?)。つまり、金正恩は4年あまりの間に4回総参謀長を代えたことになる。

人民武力相(防衛相に相当する)については、総参謀長以上に頻繁な人事異動をしている。崔竜海という人物は、金正恩の猛烈な人事異動を示す象徴的な例だ。同氏は建国初期の人民武力相(防衛相)の子であり、金正日の葬儀時の序列は第18位であった。ところが、金正恩の下でナンバー2にまで一気に引き上げられたことがある。再び序列は下げられ、また引き上げられるということがあった。それも1回でない。同氏の地位はエレベーターのように浮沈を繰り返したのである。

金正恩が軍に対して行ったのは、幹部を若返らせることと、異常に激しい人事をされても揺るがない絶対的忠誠を軍人に誓わせることだったのだろう。実際に不満が生じなかったか。それは別問題であり、少なくとも表面上はやり遂げたとみられる。

党大会は、このような過去の人事についても承認することになるだろう。

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