山の世界から見る新しい日本 新世代リーダー 山田 淳 登山ガイド
最年少登頂記録を打ち立てる
海外の山に初めて挑戦したのは、東大に入ってから。高校時代に愛読していた植村直己の『青春を山に賭けて』や、沢木耕太郎の『深夜特急』シリーズ、ディック・バスの『7つの最高峰』の影響である。海外で登山をして、バックパッカーで日本に帰る。そんな旅をしてみたいという夢が膨らんでいた。
「1回海外に行くと大体3週間ぐらい。登山自体は2週間ぐらいで終わって、あとの1週間は安宿に泊まってあちこち回る。これが楽しい。航空券と宿代、入山料を合わせて、30万円もあれば山1つ行けた」
この費用を捻出するため、大学時代はアルバイトに明け暮れる。お金が貯まったら海外で山に登り、また日本に戻ってお金を貯めて、海外で山に登る。その繰り返しだ。
そして、23歳9日で「世界7大陸最高峰最年少登頂記録」を更新する。このとき、大学3年生。記録を作ったこともあり、旅行会社から登山ガイドの仕事が舞い込んできた。以後、毎週末、登山ツアーのお客さんと一緒に国内外の山に登るようになる。
「山登りの楽しさをたくさんの人に伝えたい。もっと登山ファンを増やして、山に登ってもらいたい」
これをライフワークにしようと決め、登山ガイドをして生きていこうと考えた。裕福な生活はできないかもしれないが、食べていくには困らない程度の収入は得られる。大学を卒業する気はほとんどなくなっていた。
それがなぜマッキンゼーに入ることになるのか?
無料会員登録はこちら
ログインはこちら