なぜプロ野球選手はゴルフがうまいのか!?

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ドクター/平石貴久


 同じスポーツ選手でも、なぜかプロ野球選手はゴルフが好きだし、そして上手だ。中には引退してからプロテストを受ける方もいらっしゃる。ジャンボ尾崎さんのゴルファー転身大成功など、それは偶然なのだろうか? 今回は、どんなスポーツ選手がゴルフ上手なのか、ちょっと分析してみたくなりました。

 

まずスポーツをカテゴリーしてみましょう。ゴルフ・野球・テニス・バレーボールは、瞬発力と巧みさが大切なグループで、身体能力と素質は同一です。ほかには、マラソン・自転車競技など全身持久力が勝負のグループ、陸上中距離・水泳長距離・スピードスケート・登山などの全身持久力と筋力強化が必要なグループ、サッカーやラグビー・バスケ・水球など多彩な運動能力が必要なグループ、陸上や水泳の短距離・スキージャンプ・ウエイトリフティングなどスピードとパワー筋力を求められるグループ、そして、ボクシングやレスリング・柔道・空手・相撲など対人能力と技能が要求されるグループに分けられます。

次は、筋肉とスポーツ医学上の運動機能とで見てみましょう。確かに重心の安定と腰の回転が大切なゴルフは、野球の運動生理と同じ要素が多い。スイングとバッティングはクラブやバットを振る角度が違うだけで、テイクバックからゼロポジション(肩を作る四つのインナーマッスルが伸びきった状態で、最大限の力を発揮できる骨と筋肉の位置)でジャストミートする動きは一緒です。そのスポーツ動作の「ため」「はり」「しなり」をうまく使いこなすことが上達のコツ。軸足の「ため」から入って、骨盤や体幹の回転力が胸の「はり」を作り、やがて腰の回転へと移り、上肢のムチのような「しなり」を最大限利用する一連の動きは、野球選手が最も練習するポイントです。特に「ため」は加速力が大事で、その力やエネルギーをいかにインパクトの瞬間に「ため」られるかが、勝負。まさにゴルフも同じです。筋肉を短縮性・等尺性・伸張性収縮に分けて考えてみても、ゴルフも野球も、等尺性収縮を利用しています。

いずれの競技も18ホールや9回など規定数があり、規定数内であれば時間制限もありません。失敗しても挽回できるチャンスやホール(回)ごとに仕切り直しができるという点も似ています。野球選手はもともと試合時間が長いので、18ホールラウンドしてもイラつかないし、長い試合の中で何度もモチベーションの上げ下げができる。相撲や短距離選手などは調子のよいときはニコニコと続けられますが、ひとたび調子を崩すと持ち直せないようです。こうやって考えてみると、やはり「野球選手はゴルフ上手」というのが、結論です。

鬼コーチやライバルの悪口を言い合いながらラウンドするのもストレス発散になって、もっといいかも? 楽しくプレーするのがスポーツの醍醐味。みなさんの高スコアをお祈りします!

 

ドクター/平石貴久(ひらいし・たかひさ)
1950年鹿児島県生まれ。平石クリニック院長。丸山茂樹、片山晋呉などのプロゴルファーをはじめ、野球、Jリーグなどのトップアスリートやプロチーム、企業や大学のスポーツクラブの健康管理や技術指導を行う。アーティストのコンサートドクターとしても活躍。

 

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