「変な名前」でヒットを連発するネーミング術

「インドの青鬼」「水曜日のネコ」が、ビール?

ユニークなネーミングで知られる「ヤッホーブルーイング」の秘密に迫る
「よなよなエール」「インドの青鬼」「水曜日のネコ」……連載第1回にも書いたように、クラフトビールメーカー・ヤッホーブルーイングの製品は、ネーミングや缶のデザインも特徴的だ。当然、このセンスなくして同社の急成長はありえなかった。短期連載の最終回は、同社の“ネーミングに関する思考回路”を、井手直行社長の新刊『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります』の構成を担当した経済ジャーナリストの夏目幸明氏が解説する。

「しっくりくるネーミング」は罠だった

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「実を言うと『よなよなエール』って、当初『エールナンバーワン』といった名前も有力候補に挙げられていたんです。当時社長だった星野(星野リゾート代表)らが“エールビールのナンバーワンブランドにしたい”といった思いを込めたんですが、今思えばイマイチしっくりきませんよね」(ヤッホーブルーイング・井手直行社長)

ビールの名として、いかにも「ありそう」だ。だからこそ、インパクトがない。そんな中、星野氏は夜を徹して再考し、朝方にピンとくるフレーズを思いついた。

「よなよな(=毎晩毎晩)、日本になかったエールビールを飲んでもらえる文化を根付かせたい――」

だから『よなよなエール』。このあとすぐ「理屈にも合っている」と考えた。日本語を使うことで“メイドインジャパンのビール”というこだわりが表現できる。また「よな・よな」と、同じフレーズを2回繰り返すと、ユーザーの記憶にも残りやすい。

井手氏はこう振り返る。

「しかし、奇異な印象の名前ではありました。製品が発売された1997年当時、まだビール市場には大手メーカーさんのビールしかなかったんです。今となれば『エールナンバーワン』より『よなよなエール』のほうが魅力的なネーミングだと感じるのですが……」

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