パナソニック巨額損失は日本経済の縮図(上)

「インサイダー」が見たパナソニック論

結局はグローバル化の加速しかない

とはいえ、パナソニックの再生はどうなるのか? 同社はこれらの7つの逆風をどう克服するのだろうか?

私はパナソニックは1970年代から積極的に海外進出をしてきたが、今後はさらに海外進出を加速化、日本国内の市場動向や景気に左右されない体質に変わっていくと予想する。つまり国内需要をあてにするのではなく、海外でも特に中国の需要に照準を合わせる。「地産、地消、地開」の時代が来ると予想する。

海外で生産し、海外で消費され、海外で開発される時代の到来だ。そうなると、日本市場の空洞化は避けられない。だが、海外進出することで極端な円高には対応可能だ。法人税についても租税回避を利用することで実質的に軽減できる。海外移転を推進することで、労働規制と社会保障費の負担は海外の扱いになる。

環境問題と電力不足の問題も同様であり、自由貿易協定が遅れているといっても現地法人なら影響を受ける必要はない。さらに資源についても、レアアースやレアメタルなどは中国大陸に進出すれば安定確保は容易になるのだ。尖閣諸島問題なども気にする必要はなくなるはずだ。

結局、パナソニックの再生はこれらの7重苦を避けて海外移転を進め、一層のグローバル化を進めるしかないと思う。だがそのためには体質改善を進めながら「日本のパナソニック」から名実ともに「世界のパナソニック」に脱皮していくしかない。そんなことを考えつつ、私は「パナソニック エクセレント パートナーズ ミーティング」の会場を後にした。だが、同社が進むべき結論はすっと腑に落ちたのだが、「エクセレントカンパニー」が本当に復活を遂げられるのかと自問すると、もう一度考え込んでしまった。次回では、私が信奉している松下幸之助氏の考え方も振り返りつつ、あらためてパナソニックの問題を論じてみたい。
 

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