「炭酸飲料が歯を溶かす」という通説は本当か その酸性がどれだけ強いのかに目を配れ

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カロリーゼロとして売られている炭酸飲料も、「砂糖が入っていないから虫歯にならないだろう」と思われがちですが、クエン酸が入っていたり、人工甘味料も酸性であったりすることから、歯を溶かす作用があることは知っておく必要があります。

歯を溶かさないように炭酸水を楽しむためには

炭酸水を飲むに当たって次のことを注意してみると良いでしょう。

1.成分表示をよく見る

砂糖が入っているものはもちろんですが、人工甘味料が入っているものは時々飲む程度にとどめておきましょう。

2.口の中にためない

炭酸水の飲み方によっても歯の溶け方が変わってきます。たとえば口に入れてしばらく溜めて飲むのと、そのまま溜めずに飲み込むのと、ストローで飲むのとでは随分違ってきます。口に溜めて炭酸の感覚を楽しみながら飲む人がいますが、これは歯にとっては非常にダメージが加わる飲み方です。いちばん良いのはストローで飲む方法で、歯に触れるのを極力避けることができます。

3.フレーバーのものは極力避ける

レモン風味、ライム風味など柑橘系のフレーバーのものは特に酸が強いため、砂糖が入っていないとはいっても歯が溶ける可能性があります。しょっちゅう飲むのは控えたほうが良いでしょう。

4.しょっちゅう飲まない

ダイエットや美容のために水は多く飲むことが勧められますが、炭酸水をちょくちょく飲むと、唾液が口の中を中性に戻すのに間に合わず、つねに口の中が酸性に傾いて歯が溶けてしまう可能性が高まります。

5.寝る前に飲むのは避ける

炭酸水を飲んで寝るのは、たとえそれが無味のものであってもお勧めできません。寝ている間は唾液が減りますので、唾液が口の中を中性に戻す効果が期待できません。そのため歯が溶けるリスクが高まります。

6.飲んだらなるべくうがい、水を飲む

炭酸のものを口にしたら、なるべくすぐにうがいをするか、水やお茶を飲んでお口の中を中性に戻すようにすると良いでしょう。

砂糖の入った炭酸飲料や清涼飲料水を飲む代わりに無味の炭酸水を飲む、というのは体のためにもお勧めしたいところです。しかし、無味の炭酸水ばかり飲む、というのは歯が溶けてしまう可能性がある、ということは理解しておいたほうが良いでしょう。一番確実なのは炭酸の入っていない普通の水を飲むのが一番安心だということです。もしもどうしても飲みたい場合には、時間をあけて時々飲む程度にしておくのが良いでしょう。

小林 保行 歯科医師/キーデンタルクリニック院長

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こばやし やすゆき / Yasuyuki Kobayashi

2004年東京歯科大学歯学部卒業、表参道の総合歯科医院に勤務。2006年市谷の歯科医院にて副院長として勤務。2008年に赤坂見附駅から徒歩1分の場所にキーデンタルクリニックを開院しました。開院以来、「確かな技術で納得の治療を」モットーに、あごや歯の場所を細かく分析をし、歯だけでなく口回りを総合的に診断。現在はムシバラボというサイトを立ち上げ、歯や口周りの情報を発信。主な資格はDHA岩田セミナー認定医、総合治療セミナー「一の会」認定医、クリアアライナー矯正認定医、日本顎咬合学会所属、日本インプラント学会所属、消防庁認定、救命技能講師修了。

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