内定企業が「ブラック」なら、どうするべきか 知らないと損する就活生のための労働法<2>

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しかし、今回の法改正では、一定の労働関係法令違反の求人者について、新卒者の求人申込みを受理しないことができるようになりました。

逆に、優良な中小企業の認定制度も創設されました。若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が「ユースエール認定企業」として認定する制度です。

認定要件は下記の5つです。

(1)直近3事業年度の新卒者などの正社員の離職率が20%以下
(2)「人材育成方針」と「教育訓練計画」を策定していること
(3)前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下または週労働時間が60時間以上の正社員の割合が5%以下
(4)前事業年度の正社員の有給休暇の年平均取得率が70%以上または年平均取得日数が10日以上
(5)直近3事業年度において、男性労働者の育児休業等の取得者が1人以上または女性労働者の育児休業等の取得率が75%以上等を全て満たすこと

全国で認定企業が続々

すでに岩手県の株式会社エステーモータースクールを皮切りに、宮城県の株式会社一ノ蔵、東京都のウィツ株式会社、京都府の株式会社ゼネック、鹿児島県の株式会社現場サポート等、全国で認定が進んでいます。

また、ユースエール認定基準は満たしていないものの、若者の採用・育成に積極的な中小企業として「若者応援宣言企業」制度も設けられました。こちらも東京都の株式会社シーケンス、山梨県の株式会社アクシオン等が名乗りを挙げています。いずれも厚生労働省が運営する検索サイトやハローワークインターネットサービス、ハローワークの求人情報提供端末で企業検索が可能です。

では、最後に腕試し。下記の○×問題にチャレンジしてみましょう。

【質問】
1.若者雇用促進法に基づき、求人者に対してハローワークの新卒者求人不受理が認められた。
2.若者雇用促進法に基づく優良中小企業の認定マークは「くるみん」マークである。
【回答】
1は○、2は×です。2の認定マークは「ユースエール」マークであり、「くるみん」マークは次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」の認定マークです。

 

翠 洋 社会保険労務士

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みす ひろし / Hiroshi Misu

BIO国際行政書士事務所・中央社労士オフィスみす代表。国際基督教大学卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)に勤務。NHK「ちきゅうラジオ」ディレクター、LEC専任講師を経て、行政書士法人で日本ビザ申請代行業務に従事。特定行政書士、特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ロングステイアドバイザー。趣味はアルトサックス演奏、国内外の温泉巡り、愛犬ビオ(スタンダードプードル)とのドライブ。「語学オタク」(TOEIC 945点、中国語コミュニケーション能力検定TECC 883点、ハングル能力検定 準2級)。

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