家計の「資産と負債」をきちんと把握しよう 結婚するなら相手の負債チェックも忘れずに

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バランスシートは、3つの箱で構成されます。左側が「資産の部」で、右側の上段が「負債の部」、同じく右側の下段が「純資産の部」です。そして、負債と純資産の合計額が、資産の総額と同額になります。これは例外なく、必ず同額になります。

前の事例で言うと、10万円の預金は資産の部、さらに借金をして作った資産ではないので、同額の10万円を純資産に計上します。そして、持ち家が3000万円ですが、これは住宅ローンで買ったものなので、資産の部に不動産として3000万円を計上すると同時に、負債の部に住宅ローンとして3000万円を計上します。

家計のバランスシートは、資産の額も大事ですが、それよりも純資産、つまり借金に頼ることなく作った資産がどれだけ大きいかが問われます。純資産が分厚い家計ほど、健全性も高くなるからです。定年を迎えるまでに、どれだけ純資産の額を殖やせるかが、給与所得者の資産形成における最終目標といっても良いでしょう。

独身時代に作った資産はどうする

いくら資産を持っていたとしても、それが大きな負債によって得たものだったら、決してバランスシートは健全ではありません。結婚する前に、相手のバランスシート、特に負債の部は厳密に精査しておきましょう。

ま、とはいっても、個人のバランスシートですから、特に法的な拘束性があるわけではないので、多少のゴマカシは許されます。離婚するときは、婚姻生活中に夫婦が協力して増やした財産を、それぞれが財産アップに貢献した割合に応じて夫婦それぞれの個人財産に分けることになっています。とはいえ、大概の場合、お互いの資産を合算したうえで、それを半々に分けます。

資産は結婚した期間を分けるので、独身時代、それなりの純資産を作った人は、別資産として、相手にあまりわからないようにするのも一考です。
独身時代に作った資産は自分のものとして、あらかじめバランスシートから外すことをお互い認められるように、しっかり話し合っておくことが肝心です。

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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