家計の「資産と負債」をきちんと把握しよう 結婚するなら相手の負債チェックも忘れずに

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そう、借金地獄に陥ります。

何が言いたいのかというと、家計の現状を把握するためには、月々のキャッシュフローだけでなく、資産と負債のバランスもチェックする必要があるということです。家計簿を付ける人は、月々の収入と支出だけでなく、今、自分が持っている資産・負債も合わせて把握しないと、家計の本当の姿は見えてきません。といっても、そんなに難しいものではないので、身構えなくても大丈夫です。

家計のおカネの流れは、まず収入があって、そこから月々のさまざまな支出を差し引き、黒字になったら貯蓄等に回します。これが基本です。

では、黒字になった分をどうしますか。パーッと使ってしまっては、いつまで経っても貯蓄はできません。貯蓄ができないと、持ち家購入の際の頭金や子どもの教育費、そして自分たちがリタイアした後の老後資金を賄うことができないので、何としてでも貯蓄だけは地道に積み上げていく必要があります。

資産と負債を管理するバランスシート

月々、60万円弱の世帯収入があり、支出が50万円だとしましょう。差し引きで10万円の黒字です。これを全額、銀行預金に預けたら、10万円の資産を「預金」という形で保有することになります。

ただ、なかには借金をして初めて持てる資産もあります。家などはその典型例です。3000万円の自宅を購入したら、「不動産」という資産が3000万円計上されますが、同時に負債も3000万円計上しなければなりません。そして負債は必ず元利金の返済がつきものですから、それを毎月の支出として、収入から差し引いていく必要があります。

特に住宅ローンは、20年、30年という長期にわたって返済していくものですから、毎月のキャッシュフローに大きな影響を及ぼします。したがって、借金を抱えている人ほど、しっかり資産と負債のバランスを管理していく必要があります。

資産と負債のバランスを見るのが「バランスシート」です。一般的には企業会計で用いられるものですが、家計でも十分に役立つので、家計簿を付けるなら、収入と支出だけでなく、このバランスシートも定期的に付けておくと良いでしょう。

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