佐藤孝治
「PDCAサイクル」という言葉をどこかで聞いたことはあるだろうか?まず計画をし(Plan)、実行する(Do)、そして実行の結果を振り返って反省し(Check)、行動を修正する(Action)というサイクルのことである。自分なりに仮説を立てて実行してみて、違うと思ったらその原因を考えて、違うアクションにつなげる。これは、仕事をきちんと行うための基本的な考え方であり、「自分で考え、実行して結果を出せる人材、新しいビジネスを創り出せる人材」の基本的な行動特性だ。このPDCAサイクルは、入社後に仕事をする上でとても大きな要素になる。PDCAサイクルをうまく回せるかどうかが、ビジネス社会で活躍するためのポイントになるのだ。
ここ数年、たくさんの企業が学生時代のPDCAサイクルを確認する「コンピテンシー面接」を取り入れている。会社説明会で「弊社は学生のPDCA能力を見ています」と公言しているメーカーもあるほどだ。「PDCAは、会社に入ってから身につければいい」ではなく、「今日からPDCAサイクルを回していこう」と考えて欲しい。いざ実践しようと思った時に問題になるのが、経験(Do)がないと一番初めの計画を立てること(Plan)自体が難しいことだ。
何をがんばるかで悩んでいる人には、まずは経験となる「Do」を先にしてみることを提案したい。「Plan」ではなく、「Do」を先に行うのだ。そうすることで、自分自身の中で徐々に判断基準や価値基準が生まれ、今後の計画への基盤が作られていくのだ。また、私は多くの学生を見てきて、自分で考えることはできても、行動しないという、PDCAのDOの部分ができない人が増えていると感じている。何かやりたいことが思いつく人は、それをどうすれば実現するのか真剣に考えて、プランを立ててすぐに実行すればいい。今はどうしたらいいのかわからないという人は、サイクルの第一歩として、とりあえず何か行動を起こして欲しい。
この夏の計画がまだないという人は、まずはインターンシップに挑戦してみることをおすすめする。たとえ、インターンシップを経験してその職業に向いてないことがわかったとしても、それはひとつの大きな収穫であり、次はまた別の業界のインターンシップに挑戦してみればよい。自分の適性は、行動をして初めて判断することができるのだ。こうして「PDCA」のサイクルを回せるようになると、自分の成長スピードが一気に加速する。
※「PDCA」は拙著『内定の原則』(英治出版)でも詳しく紹介している。
※「大学生のためのインターンシップ成功指南」は、「ジョブウェブ」から提供を受けています。
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