「いい会社」への投資で考える資本主義の姿

鎌倉投信はなぜ投資家に支持されるのか

今後の日本のあるべき企業経営や経営者像について考える(撮影:田所千代美)
 2008年に設立された鎌倉投信は、近年、独自の投資スタイルで注目を集めている独立系の投信委託会社(投資信託の運用会社)で、販売は直販のみ。直販とは、投信委託会社が自ら運用している投資信託を販売するもので、既存の金融機関に頼らない販売形態が特徴。鎌倉投信の運用する公募投資信託「結い2101」の投資先は、これからの日本に本当に必要とされる会社で、鎌倉投信はこれを「いい会社」と称している。単にリターンを追求するだけではなく、独自の投資哲学でマーケットに対峙している鎌倉投信は、『みんなを幸せにする資本主義~公益資本主義のすすめ』(大久保秀夫著、東洋経済新報社)において、その必要性を強く訴えている「公益資本主義」を投資の側面から具現化しているといえるだろう。
今回は鎌倉投信の代表取締役である鎌田恭幸氏と大久保秀夫氏が、今後の日本のあるべき企業経営や経営者像について考える。

鎌倉投信の原点とは?

経営者が真剣に考えるべき国民を幸福にする「公益資本主義」について提言する

大久保:鎌倉投信は、日々、日本中で「いい会社探し」を行い、投資信託という仕組みを用いて長期投資をしていらっしゃいます。鎌田さんは、かつては外資系金融機関で年金運用をされていたということですが、随分と違う方向に大きく舵を切ったのですね。それはなぜですか。

鎌田:私はバブルピークの1988年に信託銀行に入行し、運用部門に配属されました。そこから外資系金融機関に転じ、かれこれ20年くらい既存の金融業界にどっぷり浸かっていたわけです。それは、金融の知識や経験を積むのには役立ちましたが、金融の機能を通じて、社会をより良いものにしているという実感は得にくかったように思います。しかも、90年代以降はデリバティブが幅を利かせ、経済や社会を振り回すようになりました。これはもう自分のやりたいことではないと思い、2008年に外資系金融機関を辞めたのです。

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