鈴木敏文が「コンビニの玉座」から降りた日 セブン&アイHD会長が電撃引退へ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――井阪社長の進退問題が、鈴木会長の退任に変わった背景には、創業の伊藤家の存在があるのか。経営を任されていたはずなのに、伊藤家から最後の最後ではしごを外されたという思いから決断したのか。

鈴木会長:資本と経営の分離を言ってきた。(伊藤家の)資本そのものは10%ぐらいの株式を所有している。経営に大きく影響するような資本額ではない。フランチャイジービジネスを考えると、それなりのことをきちんとしておかなければならない。

何もセブン-イレブンだけの問題ではなくて、総反対されたなかでコンビニを作ってきた使命から考えても、資本と経営の分離はきちんとしたことが小売業においても重要なことだ。

――コンビニを作って、セブン銀行も立ち上げて、伊藤家にとって鈴木会長の貢献はすごく大きかったはずなのに、なんで最後の段階ではしごを外されたのか。

鈴木会長:非常に言いにくいことなので、ご勘弁願いたい。ようするに世代変わりがあったということだ。

私の不徳の致す所である

――鈴木会長はセブンの創業者、伊藤雅俊名誉会長はイトーヨーカ堂の創業者。両者で話し合って常識的な解決できなかったのか。

鈴木会長は会見の冒頭30分ほど、井阪社長や伊藤名誉会長への不満を述べた後、突如辞任を決めたと宣言した

鈴木会長:今までずっと、良好な関係にあった。ここにきて急きょ変わった。

今まで私が提案したことについて、拒否されたことは1回もなく、了承されてきた。

しかし世代が変わった。抽象的な言い方かもしれないが、ご理解いただきたい。

――取締役会や指名報酬委員会での説明が不足していたのではないか。

鈴木会長:指名報酬委員会では5時間かけて議論した。決して時間がなかった、ということはない。

――指名報酬委員会で5時間かけて議論、社外取締役も疑問視した。結局、指名報酬委員会の存在意義とは何なのか。

鈴木会長:7年間、最高益を続けた社長を辞めさせることは、世間の常識が許さない。その一点だ。

――鈴木会長の具体的な退任時期はいつになるのか。

鈴木会長:(退任は)今日決めたこと。明日出るはずのアナリスト説明会にも、辞める以上は方針を説明できない。出ない理由は何だ?となるので、皆様に辞めるということを申し上げたほうがいいということで、会見を開いた。

――なぜ、後継者を育てられなかったのか。

鈴木会長:私の不徳の致す所だ。

(撮影:尾形文繁)

又吉 龍吾 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事