VAIOが有名セレクトショップと協業するワケ BEAMSとのコラボモデル実現の舞台裏
このとき、両社が製品化を前に、最初に作り上げたのがコラボレーションを示すアイコンだった。BEAMSのオレンジ、VAIOの勝色(藍色)という両社のコーポートカラーを組み合わせ、レジメンタルストライプをイメージ。デザインにこだわる両社だからこそ、「単発では終わらないコラボレーションの象徴として立ち上げた」(VAIOの伊藤統括部長)との狙いがある。
デザインにこだわる両社だからこそ、アイコンのデザインから作り始めたともいえるが、このアイコンにはそれ以上に、単発の取り組みではないということや、単なるカラーバリエーションでは終わらないというメッセージが込められていたともいえる。
第1弾はわずか80分で完売
実際、第1弾となった「VAIO Z|BEAMS特別仕様」のデザインへのこだわりは、単なるカラーバリエーション発想を超えていた。
ビームス第1事業本部ビームス1部バイヤーの古屋雄一氏は、「VAIO Zは、VAIOが独立してから最初に発売したPC。だが、モンスターPCとして、ビジネスユースをターゲットとしていながらも、遊びの要素にも目が行っている製品。遊び心を持たせながら、VAIO Zが持つ凄みをどう生かすかを考えた」と、第1弾製品のデザインコンセプトを振り返る。
第1弾のVAIO Z|BEAMSで採用したデザインは、VAIO Zのこだわりのブラックの色調はそのまま利用しながら、使うときに現れるタッチパッド部分と、液晶ディスプレーの下部に施されたBEAMSのロゴだけをオレンジとした。
「VAIO Z本体を開けたときに、見える部分で気持ちを明るくできるようなデザインを施した。所有者だけが味わえる遊び心を演出した」という。
持ち歩いているときには、通常のVAIO Zとは変わらない。だが、使うときにだけ、カジュアル感、ポップ感があるオレンジの色が目に飛び込んでくるというデザインだ。通常のカラーバリエーションでは考えられない、遊びの要素を、BEAMSの感覚で表現してみせたというわけだ。
反応は予想を上回った。2015年3月13日正午から受注を開始したものの、わずか80分で完売。「お客様相談センターにもクレームをいただく状態になった」(VAIO・伊藤統括部長)という人気ぶりとなった。
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