VAIOが有名セレクトショップと協業するワケ BEAMSとのコラボモデル実現の舞台裏

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また、PCケースには、刺繍による「VAIO×BEAMS」のロゴが入っているが、これはよく見ると、正式なロゴとは異なる。

両社のこだわりともいえる、刺繍のロゴマーク

「通常ならば許されないものだが、両社が同じテンションでこのコラボに取り組んでいるということを示すもの」(同)と位置づける。

PCケースの市場想定価格は、13型が1万3000円、11型が1万1000円(いずれも税別)。1インチ1000円という価格設定も、なぜか、遊び心を感じてしまう。

「実は、ネクタイのコラボ製品も企画している。実現できるかどうかはわからないが...」と、ビームス社長室宣伝広報統括本部デジタルコミュニケーションマネージャーの関根修二氏は明かす。

今後、意外なコラボ製品が登場する可能性があるかもしれない。

VAIOの遊び心を補完するコラボモデル

(右から)ビームス第1事業本部ビームス1部バイヤーの古屋雄一氏、VAIO商品企画部統括部長の伊藤好文氏、ビームス社長室宣伝広報統括本部デジタルコミュニケーションマネージャーの関根修二氏

VAIOも、単なるコラボ製品とは位置づけていない。

VAIOの伊藤統括部長は、次のように言う。

「VAIOは、ソニー時代とは異なり、ひとつひとつの製品で勝負をしていかなくてはならない立場にある。そして、それは、ビジネスマンの生産性を高めるための道具として研ぎ澄ますことに焦点を当てている。そのため、カラーバリエーションも多くはない。だが、その裏返しとして、VAIOユーザーの間からは、VAIOの遊び心が以前よりも少なくなったという声も出ている。残念ながら、こうした声に対して、VAIOがなにかを発信したり、提供することができないのが実情だ。そうした意味からも、いまのVAIOに足りない、遊び心の部分を補完するという点で、BEAMSとのコラボレーションは大変重要な取り組みになる。VAIOが、遊び心を忘れないという意味でも、これからもこのコラボレーションは大切にしたい」

ビームスの古屋氏も、「VAIOが持つ高い品質や高性能のイメージを守りながら、遊び心を持ったコラボ製品を投入しつづけたい」とする。現在、両社のコラボは、VAIOの最上位モデルとなるVAIO Zだけが対象だが、他のノートPCやスマートフォンにも広がる可能性はありそうだ。

このコラボレーションは、単にVAIO Zのカラーバリエーションを広げるための取り組みではない。ユーザーの期待が集まるVAIOの遊び心を実現し、それを今後も存続させるための重要な取り組みのひとつなのだ。

大河原 克行 ジャーナリスト

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おおかわら かつゆき

1965年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。IT産業を中心に幅広く取材、執筆している。現在、ZDNetの「大河原克行のエンプラ徒然」(朝日インタラクティブ)、PC Watchの「パソコン業界東奔西走」(Impress Watch)、クラウドWatch、家電Watch(以上、Impress Watch)、ASCII.jp (KADOKAWA)、日経トレンディネット(日経BP社)などで定期的に記事を執筆。著書に、「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)、「松下からパナソニックへ」(アスキー・メディアワークス)、「図解 ビッグデータ早わかり 」(中経出版)など。

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