「汚い爆弾」に、日本はどう対峙するべきか 核物質を使用したテロの恐怖とは?

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また、人に対する核の脅威はテロに限らない。福島の原発被害など自然災害、さらには核を管理する人の過失が原因でも発生する。マニュアルを整備すれば防げるというような問題でない。

どんなに良く作られ、厳格な手順を定めてあるマニュアルがあっても事故は起こる。これは人間の能力の限界、心理的な脆弱性にかかわることであり、それにどう対処するかである。

決定的な方策は核を廃棄すること

「核を守る」ためにも、また「核から人を守る」ためにも決定的な方策は、核を廃棄することだが、これについてはエネルギー供給の確保などとバランスをとる必要があるので「なくせばすべて解決する」と簡単に言うことはできない。

しかし、世界各地に散らばっている膨大な量の核物質を少なくすることは必要なことであり、すでに行われている。

今回のサミットに際し、日本が研究用に保持していた高濃縮ウラン(核兵器製造に使用されるものに近い)を米国に移送することとしたのは、核セキュリティの観点からも、また、「人を核から守る」ためにも有効な方策だが、日本には使用済み核燃料など危険な核物質が大量に存在しており、処理が必要である。

これまで核セキュリティ・サミットの重点は「核をテロの脅威から守ること」にあったが、今後は「核から人を守る」ことを強化し、そのための対応能力を高めていくべきである。国際社会にとって新しい課題だ。

美根 慶樹 平和外交研究所代表

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みね よしき / Yoshiki Mine

1943年生まれ。東京大学卒業。外務省入省。ハーバード大学修士号(地域研究)。防衛庁国際担当参事官、在ユーゴスラビア(現在はセルビアとモンテネグロに分かれている)特命全権大使、地球環境問題担当大使、在軍縮代表部特命全権大使、アフガニスタン支援調整担当大使、日朝国交正常化交渉日本政府代表を経て、東京大学教養学部非常勤講師、早稲田大学アジア研究機構客員教授、キヤノングローバル戦略研究所特別研究員などを歴任。

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