朝鮮半島「非武装地帯」で今起きていること 中立国監視委員会を知っていますか?
「1995年5月以降、彼らは箱を空にしたことはない。存在しない団体からは書簡を受け取れないというのが彼らの言い分だ」と、今週3500回目のミーティングで議長を務めたスイスのウルス・ゲルバー少将は言う。
木箱があふれないように、NNSCは数カ月に一度は空にするという。
米国との平和条約をずっと求めてきた北朝鮮は、休戦が「長いこと機能せず」、NNSCは「歴史のなかで忘れ去られている」と主張する。
朝鮮戦争を終わらせた休戦協定において、孤立する北朝鮮と裕福な民主主義の国である韓国は、厳密にはいまだに戦争状態にある。
ゴースト団体
北朝鮮は1995年にNNSCがポーランドを除外してから同団体を認めなくなった。その2年前には、スロバキアとチェコに分裂したのを機に、チェコスロバキアも外していた。
「彼らはわれわれをゴースト団体と呼ぶ」とゲルバー氏は語る。
朝鮮半島で唯一独立した軍事機関であるNNSCは冷戦後、毎年恒例の米韓軍事合同演習を監視する中立的なオブザーバーとして自らを変革した。同演習をめぐっては、北朝鮮は攻撃準備だと抗議する一方、米国・韓国側は防衛のためだとしている。
スイスとスウェーデンの将校たちは、定期的な査察を行うことで、こうした演習が休戦に違反しないよう目を光らせている。