ソニー「本気エイプリルフール」の熱い舞台裏 「ゴースト捕獲装置を開発」と発表したワケ
一方、技術的な文言などは、実際のソニーの技術者が添削、監修を行い、真実味を持たせたという。ソニーグループの全社員が総力をあげて今回のエイプリルフールのジョークを作り上げたプロジェクト。「全社員を挙げて遊び心を発揮してくれた。ソニーのスピリットが残っているなと思いました」と、仲澤氏は感慨深げに語る。
これまで、ソニーの平井社長は就任以来「ソニーは変わらなければならない」と繰り返すと同時に、グループ一丸で強いプロダクトを生み出す「One Sony」を提唱してきた。今回の出来事は、その理念を体現する試みで、平井社長自身も積極的に賛同したという。
自社コンテンツを最大限生かす
近年、ソニーのアイデンティティーともいうべきエレクトロニクス事業が低迷し、ソニーらしさを求める声が起きる中、今回のエープリルフールのジョークは、ソニーらしい遊び心を取り戻す機会にもなっただろう。
リブート版「ゴーストバスターズ」には、今後の同社のエンタテインメント事業への姿勢が垣間見える。昨年2月にソニー・ピクチャーズではトム・ロスマン氏が会長に就任。ロスマン氏は「自分のスタジオが所有するIP(知的所有財産)を強化し、それをマネタイズ(収益化)していく」という方針を示す。
ソニー・ピクチャーズのヒットシリーズといえば、「スパイダーマン」「バイオハザード」「007」などが挙げられるが、実はこれらは他社が権利を持つ作品で、SPEはその他社の知的所有財産を使用して映画を作っているという立場となる。それだけにSPEが独自で所有する最大のIPである「ゴーストバスターズ」への期待は大きい。
「今後はそういったSPEが所有する作品をキャラクター化して、何かしらの形で商品化というところまでいければと思っている。その第一弾が『ゴーストバスターズ』」(仲澤氏)が語る通り、映画自体もソニー・グループとしての試金石となっている。
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