ソニー「本気エイプリルフール」の熱い舞台裏 「ゴースト捕獲装置を開発」と発表したワケ
これは、4月1日エイプリルフール限定のジョークとしてソニーが発表したもの。「プロトンパック」とは、1984年公開の映画『ゴーストバスターズ』に登場した、ゴーストなどの異次元物体を捕獲する装置。この夏にそのリブート版が公開されるため、そのプロモーションの一環としてこの「リリース」が作られた。この"新製品"を日本で発売する日付は、公開予定日と同じ8月19日となっている。
しかし、あまりに本格的で「ありえそうな」リリース。加えて情報はソニーのツイッターやFacebookなどを通じて広く世間に拡散したため、「まさか!」「本当に信じた」などなど大反響を巻き起こした。
SONYのロゴを変えるアイデアが浮上
このソニーが仕掛けた、巧妙かつ壮大なエープリルフールのジョークを提案したのが、ソニーの子会社である、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの仲澤直美・映画マーケティング部部長率いる宣伝チームだ。
仲澤氏のチームがこのアイデアの元ネタを考えたのが2015年の4月ごろ。最初は映画の公開にされるにあたり、同作のトレードマークである赤丸にななめ線の「禁止マーク」を、「SONY」の「O」と置き換えたらどうか、というアイデアを思いつき、ソニー・ピクチャーズ本社に提出したのがきっかけだった。しかしその時はこの案が採用されることはなかった。
それから1年の時が過ぎ、いよいよ『ゴーストバスターズ』の宣伝に本腰を入れようということになり、再び『O』の文字を変えるというアイデアをソニー・ピクチャーズ本社に提出。今度はネットでの話題性を考慮に入れ、エイプリルフールのときにロゴを変えるのはどうか、という形で提案したという。
それに加えて親会社のソニーが「プロトンパック」の開発に成功したというニュースを出せば、「『O』の字を変えるにも必然性も出る」(仲澤氏)。この東京発のアイデアに、アメリカのソニー・ピクチャーズ 本社は大盛り上がり。「これは日本だけでなく、グローバルで展開したい」という返事がきた。こうしてエイプリルフールの企画が進められることになった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら