ソニー「本気エイプリルフール」の熱い舞台裏 「ゴースト捕獲装置を開発」と発表したワケ
ただ、この企画にはソニー本社が全面協力してくれるかどうかという大きなハードルがあった。「ソニー・ピクチャーズが仕掛けてもただの映画の宣伝になってしまう。ソニー本社の協力を仰ぎ、仕掛けてもらえれば社会的なインパクトも大きい」と考えた仲澤氏は、2月にソニー本社に出向いて協力を要請した。
しかし、1946年創業のソニーにとって「SONY」のロゴは非常に大切な存在。70年の歴史の中でロゴをアレンジさせることはほぼなかったという。そのため当初はソニー本社も、アイデアに興味を示しつつも、慎重な姿勢を崩さなかったという。
だが、ソニー本社はなんとかこのプロジェクトを実現化できないかとアイデアに積極的に向き合ってくれたという。ソニー・ピクチャーズ本社を交えた会議が何度も行われ、詳細を詰めていった。
ソニーらしさを出すことができた
その結果、静止画の状態で「O」の文字を変えるという当初のプランを実現することはできなかったが、特例として、ゴースト捕獲装置の製品サイトに記載されているロゴの「O」の部分に隠しコマンド的なデザインを入れることにした。
マウスポインタを重ねると、「O」の文字がゴーストバスターズでおなじみの「禁止マーク」に変わるというもの。結果としてときおりゴーストが表われるようなユニークな画面を実現させた。さらには、ソニーの平井社長からの協力も取り付け、冒頭のようなコメントがリリースに添えられた。
まじめな体裁のリリースだが、遊び心あふれるジョークが散りばめられている。リリースに「ソニーのエンジニアと、原子力および軍需技術の専門家ジリアン・ホルツマン氏によって共同開発」とあるが、ホルツマン氏は、8月公開予定の作品の登場人物のひとり。そしてコロンビア大学のスペングラー博士とは、1984年版でハロルド・ライミスが演じていた科学者の役名だ。
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