決着つかず延長へ ヤクルト買収攻防戦

交渉は二転三転

「虫がいい」ヤクルト

そもそもヤクルトはなぜここまでダノンを毛嫌いし、ダノンはヤクルトにこだわるのか。

ヤクルトは一種独特の社風を持った会社だ。乳酸菌やビフィズス菌の独自技術への絶対の自信や、YLという独特の販売チャネルはほかの食品メーカーとは明らかに異なっている。同社と事業提携を検討した大手食品メーカーの社長は、「ヤクルトは自主独立の意向が強く情報も出さなかった」と振り返る。その提携は後に解消された。

ただし、その独特な社風が悪いわけではない。64年の台湾を皮切りに積極進出した海外市場、特に新興国市場での成功が評価を高めているが、YL制度を整備し、時間をかけて一般消費者へ浸透できたのは、自らの哲学を持ち、それを徹底する愚直さがあったからだ(7ページ目のコラム)。

とはいえ、株の買い増しを拒否するヤクルトの姿勢は「虫がいい」と言われても仕方がない。株式を上場している以上、誰が株を買ってもいい。約束の年月を待って株を買い増そうとするダノンに非はない。

ダノンにとってヤクルトはアジア戦略のキーだ。ダノンはアジア市場で失敗が続いており、ヤクルトとの関係が解消されれば、急成長するアジア市場で足場を失うことになる。

ダノンは96年に中国の飲料最大手、ワハハと合弁会社を設立し、中国市場に本格進出した。が、合弁会社の別のパートナーから株を買い取り、過半数を握った。その後ワハハと10年に及ぶ訴訟となった。法的にはダノンに瑕疵はなかったものの、法廷闘争でイメージが悪化。「中国人消費者に嫌われ、合弁から撤退を余儀なくされた」(ワハハ幹部)。

その他のアジア地域には出遅れたまま。インド、ベトナムなど数少ない進出国はヤクルトとの合弁。世界最大手の食品メーカーで競合のネスレは中国で成長を続けている。アジア各国で事業を展開し、中国でも好調なヤクルトを手放したくはない。

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どん底の2000年代を経て鮮やかなV字回復を果たしたプロレス界の雄。キャラクターの異なるスター選手を複数抱え、観客の4割は女性だ。外国人経営者の下、動画配信や海外興行など攻めの姿勢を見せる。株式上場も視野に入ってきた。